ついうっかり本音を…

今月16日、政府が「国家安全保障戦略」など防衛3文書を改定し、敵の基地などを叩く反撃能力の保有方針を閣議決定した件について、ネット上ではさまざまな議論が沸き起こっています。増税がらみの案件なので、総じて「やり方がまずい」との反対意見が多い傾向がありますが、ブログ主が怪訝に思うのが、日ごろから「中国の脅威」を唱える輩が、この件に関しては沈黙をしているように見受けられる点です。

そのなかで、ブログ主の興味を引いたのが小西ひろゆき参議院議員のツイートで、ためしに関連するつぶやきを全部書き写しました。ただし読者の便宜を図る上で、文章構成を一部変更しています。まずは全文をご参照ください。

1,米国と運用する反撃能力の最大リスクは、米軍の軍事的緊張で自動的に日本が敵国になることだ。17年にトランプ氏派遣の攻撃型空母と自衛隊が共同訓練を繰り返し、戦後初めて北朝鮮から武力攻撃の宣告を受けた。今後は最初から北朝鮮に日本攻撃の目的と口実を与えてしまう。

2,北朝鮮も中国も日本にミサイル攻撃をしなければならない軍事的な必要性や合理性はない。北朝鮮の核・ミサイル開発の目的は体制維持だ。中国と日本は最大の貿易相手国で、中国の日本進攻は経済破綻を意味する。台湾とちがって尖閣は中国の核心的利益ではない。専守防衛と日米同盟で十分なはずだ。

反論:日本は別に攻撃すらしていないのに、北朝鮮が攻撃する口実になるというのはおかしいだろう。

3,反撃能力とは米軍と共に自衛隊が衛星で北朝鮮のミサイル施設を常時監視し、有事の際にそれをミサイル攻撃するものです。これは北朝鮮から見れば自国への攻撃体制そのものです。しかも北朝鮮は、米軍を守るための集団的自衛権による自衛隊のミサイル攻撃を覚悟しますから日本は敵国そのものです。

質問:北朝鮮が日本を攻撃するメリットはなんですか?日本侵攻はまず出来ない。ミサイルを撃ち込んだ時点で国連制裁対象になるのでは?

4,その通りです。ですので、北朝鮮を目標の敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有に軍事的な必要性と合理性があるのか徹底的に検証されなければなりません。政府与党も一部野党も読売も日経も具体的な検証は一切ありません。戦前の日本は日米開戦の必要性と合理性の検証を怠り、国民が惨禍を被りました。

この一連のツイートで読み取れるのが、政府と与野党国会議員たちの本音では、「北朝鮮のミサイル開発は大したことはない」との認識で一致している件です。よくよく考えてみるとその通りなのです。日米韓と中国共産党が水面下で蒐集した軍事情報を、北朝鮮は国威発揚名目でミサイル発射することで、情報をフィードバックする機会を与えてくれるのですから、4か国の本音は「ばーか」で間違いありません。

だから、ミサイル発射を黙認しているのです。

※そして北朝鮮のミサイル開発に関しては日米韓と中国共産党は裏でつながっているのも説明不要でしょう。

なので、小西議員のツイートは、政府の防衛方針転換の閣議決定は「ほかに理由がある」ことを暗示しているのです。そして、この点を追及しない既存マスコミのふがいなさを嘆いていますが、その点は全面同意します。というか北朝鮮のミサイル報道について既存マスコミは官邸や防衛省の発表だよりで、必要以上に危機感をあおっている印象すらあります。悪く言うと、防衛省の走狗になっているわけであり、

もうちょっと真面目に権力を監視したらどうですか

と小西議員に限らず、ブログ主も嫌味を一つ言いたくなる気分になります。

ただし、小西議員のツイートは、東アジアでは冷戦が終わっていないため、米軍の軍事的緊張如何に関わらず、北朝鮮は日本を「敵国」と認定している点を見落としています。それゆえに日本人の拉致事件は起こったわけであり、しかも昭和の時代とちがって、長距離ミサイルの精度が格段にあがり、ピンポイントで日本本土のインフラが狙われる可能性が否定できなくなったのです。つまりミサイルを撃ち込まれたら迎撃できないパターンを想定せざるを得なくなったのです。

なので、撃たれる前に相手国のミサイル基地を破壊してしまえの発想は当然かと思われます。

この案件は、表向きの報道とは違い、政府と与党、防衛省、そしてマスコミは手を取り合って防衛方針の転換を推し進めると予想されます。ブログ主的には今回の防衛方針の転換は(増税案も含めて)賛成の立場ですが、小西議員の危惧は至極ごもっともなので、既存マスコミはもう少し真面目に仕事をしてほしいと思いつつ、今回の記事を終えます。

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