
前回の記事から約1週間が経過しましたが、石垣市の政局について中山義隆市長の失職と、石垣市長選の日程が決まったこと、そして箕底用一氏が正式に出馬表明を行ったぐらいで、目立った動きはないように思えます。
もちろん水面下で何が行われているかは、本島民のブログ主には正確に判断できませんが、新聞報道をチェックして印象的だったのが、大浜一郎県議が同席した自民党石垣支部の記者会見(23日)以前と以後で報道に明白な “変化” が見られた件です。
大まかに説明すると、23日以前は「中山氏の再出馬が前提」で記事が作成された感がありますが、記者会見後は「次期石垣市長選、中山氏は候補から排除せず」との題字から明らかなトーンダウンが見られます。
つまり、自民党石垣支部長の大浜一郎県議の来島によって、政局が大きく変化した可能性を示唆しているのです。
よくよく考えると今回の出直し選挙で中山義隆氏が市長選に立候補するのは問題ないでしょう。ただし「中山氏を自民党石垣支部が支援すること」に対して自民県連が強い不快感を示したのは間違いありません。理由は簡単で、自民党石垣支部が中山氏を推すことで、石垣市長選が石垣市だけの問題ではなくなってしまうからです。
まず、議会で不信任案に賛成した市議たちが支援するのはやはり筋が通りません。「ある自民関係者は『不信任を出しておきながら支援するという矛盾をどう説明するのか理解に苦しむ。』と批判。『まずは事情を詳しく聴く必要がある』と頭を抱えた(令和07年06月20日付琉球新報01面)」とあり、確かに「不信任でけじめがついた(長山家康市議)」だけで割り切れる話ではないのです。
しかも自民県連は県議会で玉城県政の「法を尊重しない運営」を厳しく批判してきた経緯があります。最高裁判断を無視したこと、安和の事件、そしてワシントン事務所の件で手厳しく突っ込んできた経緯から、(今回のような)行政のミスを違法行為で処理しようとした中山氏を支持することはできない立場にあります。
さらに、一部報道にあるように不信任決議の賛成は中山氏主導で自民石垣支部が乗って可決したのであれば、これは明白な “制度の悪用” であり、このような人物を全面支援するデメリットは計り知れないと県連が判断しても無理はありません。なぜなら、自民県連が24年の県議選以降、地道に積み重ねてきたいい流れをおじゃんにする可能性が否定できないからです。
ブログ主が言いたいのは(特に自民系与党会派)、かつての公約(多選自粛条例)を自分が4選したら正式に撤回し、行政ミスを違法行為でのカバーを試み、かつ制度を悪用してあと4年市長を務めようとする人物を
どうやって信用しろと?
ということです。おそらく中山氏を支える支援者たちは「4選15年の実績を考えたらこのくらいのことで…」との心境があるのかもしれません。その気持ちは理解できますが、はっきり言って令和の今日では “致命傷” になりかねません。現時点で中山氏の動向は判断できかねますが、自民党石垣支部の判断次第では、今月20日投開票の参議院選挙にも大きな影響を及ぼす案件であることを強調しておきます。
最後に石垣市の出直し選挙において、野党側は分裂選挙になる可能性が出てきました。戦い方次第では勝てる選挙を候補者分裂で落としてしまうほど恥ずかしいことはありませんし、はっきり言って野党がまともに機能していたなら今回のような混乱は起こっていなかったと断言できます。そして中山市政4選15年で保革ともに “堕落” していた実態を目の当たりにしたブログ主は、ちょっと悲しい気分になりつつ今回の記事をまとめた次第であります。(終わり)