ロックとコザ(1994)川満勝弘(愛称:カッちゃん)編 – その21

(続き)そのころ、私たちは音楽ではもう勝っているので、これだけ米兵がいっぱい集まってきてもあんまり私たちに物を投げなくなっていましたが、そのだめ押しをしようというわけです。

でも、そのかわり自分たち同士ではテーブルをひっくり返したりして騒ぐので、そこで経営者は「静まれ」といってカウンターの後ろに置いてある空気銃を「バーン」と撃ったりするような、それぐらいの店でしたよ。

NHKや内地(本土)からの取材が来るけども、もうたいへん。追っかけていって取材させないんです。カメラ片手にみんな逃げて、もうトイレにも逃げていくんですけど、グリーンベレーはトイレまで入ってくるんですよ。それぐらい米兵はもうエキサイトしているわけです。

そこで、この🐔をステージに連れてきて、かわいいかわいいして、キスして、食いちぎって「ウェー、エー、アウー」とやって、これからなんですよ。食いちぎるとまだ羽がパタパタしていて、口に入れているから🐔の足は腕にあたるので、爪でひっかかれて傷ついているんです。

ステージのむこうではアチ・ユーをクヮタ・クァタ・クヮタ・クァタしている(お湯を沸かしている)わけ、一羽は食いついて、一羽はバンミカシ鎌でやって、すぐアチ・ユー(熱湯)に入れて、これをステージの上でやったわけです。

それから、これが受けてしまったものですから私たちは図に乗ってしまったんですよ。またこれが基地の中に全部広がって、

アメリカーたちは🐔だけじゃなくてハブまで持って来るんですよ。

それで私たちはそんなアメリカーに「No Way,Bull-Shit(まさか、だめだ、そんなむちゃくちゃな」というと、かれは「No,I serious.I’m not bullshit.You got to go there(俺は本気だよ、やってみろ)」とくるんです。それで仕方なく「Oh,yeah?Let me see(そうかい?じゃあ見せてみろ)」となったんです。

アメリカ人はこのように頭が切れてしまっているので、

私は「デージ・ヤッサァ・ウッター気違いヤッサー(たいへんだぜ、こいつら気違いだよ)」と思いました。

本当は食べるためにやっていたんです。だから「沖縄ジャンジャン」でも🐔をつぶしたときに、ベースのエディがすぐテーブル持ってきて「これから料理教室を開きますから、🐔肉料理の良い方法を教えます」といって、鍋も持ってきて「なるべく野菜はこんなのを選んでやりましょう」といってやったら、首を切るまでは「やめてーやめてー。いやー怖い残酷」とみんな、女の子も大きな声でいっていたんですよ。

「はい、終わりました。はい、ここに鍋ありますね、で、こうやって、こうなりましたね。やったことないでしょう、みんな」と、エディがちゃんと料理するわけです。

「はい、食べたい方はステージの上にどうぞ、皿もあるよ、はい、自分で。バイキング料理で、はいこれも取って」というと、最初嫌がっていた若い男女がみんな食べて、みんななくなったんですよ。

こういうふうに切ったものは、ギターのシンキがあとで食べるためにちり袋に入れて片づけたんです。また、食べないときもあったんですが、これはまた埋めて、シンキが線香を立ててお祈りするわけです。私たちは、楽屋裏ではこんなことをしているんですよ。

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