ここ数日、国内政局は立憲民主党と公明党による新党結成「中道改革連合」の話題で持ち切りです。ぶっちゃけな話、(政局の)展開が早すぎるため、現時点では中道改革連合(以下『中道』)の存在が我が沖縄にどのような影響をもたらすかは判断つきかねます。
そこで今回は中道の「綱領」と「五つの旗」から新党の “正体” についてブログ主なりに言及します。先ずは書き写した綱領をご参考下さいませ。
令和08年01月19日付 中道改革連合 綱領
近年、世界はインフレの進行と国際秩序の動揺の中で、極端な思想や社会の不安を利用して、分断を煽る政治的手法が台頭し、社会の連帯が揺らいでいる。
日本においても、右派、左派を問わず急進的な言説が目立ち始め、多様性を尊重し、共に生きる社会を築こうとする努力がいま脅かされている。この現実を前に、政治が果たすべき役割は重い。
対立を煽り、分断を深める政治ではなく、対立点を見極め、合意形成を積み重ね、生活者ファーストの政策を着実に前へと進める中道政治の力が求められている。それは困難な現実に正面から向き合い、最適解を導き出す、最も責任ある政治の道である。
私たちの掲げる理念は、「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」である。
国民一人ひとりが自分らしく生き、その活力が社会の発展を支える政治を目指す。国家やイデオロギーのために国民を従わせる政治ではなく、人間の尊厳を守り抜く政治を、我が国の中心に据え直すという、揺るぎない決意である。
「中道改革連合」は、多様化が進み、政治が揺れ動く時代にあって、極端主義に立ち向かい、不毛な対立によって社会が引きさかれることを防ぐ、責任ある中道改革勢力として立ち上がる。国民の利益と幸福に奉仕する国民政党として、国民が求める改革を主導する基軸となることを目指す。
そのために、私たちはここに、5つの政策の柱を掲げる。
第1の柱 一人ひとりの幸福を実現する、持続的な経済成長への政策転換。
人への投資や生産性革命等を通じて、持続的賃上げを実現し、経済成長を分配へとつなげ、生活者の豊かな暮らしを実現する。
第2の柱 現役世代も安心できる新たな社会保障モデルの構築。
持続可能な経済成長を実現し、弱者を生まない社会を築くために、誰もが必要な支援にアクセスできるよう、教育・医療・介護などのベーシックサービスを充実させ、現役世代の負担に配慮した、持続可能な社会を実現する。
第3の柱 選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現
教育の格差の是正、ジェンダー平等、多文化共生、気候変動対策を進め、誰もが自分らしく生きられる社会をつくる。
第4の柱 現実的な外交・防衛政策と憲法改正議論の深化
憲法の平和主義に基づく専守防衛を基本に、日米同盟と平和外交を軸とした、国民の平和と安全を守る現実的な外交・防衛政策を進める。
第5の柱 不断の政治改革と選挙制度改革
政治への信頼を回復するため、政治資金の透明化を断行し、民意が正しく反映される選挙制度改革など、政治改革に取り組む。
「中道改革連合」は、改革の軸として、理想を掲げながら現実的な政策実現のために結集する。その責任を果たす覚悟を持って、私たちは新たな歩みを始める。
一見して分かったようなわからないような内容ですが、何となく公明党色が強いことはわかります。そのためまずは仏教における「中」についてブログ主なりに説明します。
仏教と言えば「無常観(この世のすべてのものは常に移り変わり、決して同じ状態を保ち続けることはない)」が有名ですが、これは言い換えると、この世のすべてのものは「相対概念」であり、絶対的なものは存在しないということになります。
例えば、「無」は「有」を前提とした概念であり、すなわち有がなければ無はない、そして世の中の概念はすべてそうであり、そんなものに執着するから「苦」が起こる、これが仏教の基本中の基本です。
それでは「中」とはなにか、それは無と有との間にある「相関関係」を成り立たせるものであり、つまり相対概念を超えた存在なのです。宗派によっては「空」とか「縁起」とか表現するようですが、この考えを政治の世界に応用すると、中道改革連合は「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」を実現していくために保革を超えた上位概念の存在として誕生した政党になりましょうか。それゆえに「中道」は「5つの旗」を基に自民党も含むすべての政党の政治家に門戸を開いているのです。
ところが「中道」には大きな問題点が2つあるのです。
ひとつめは新政党の基本理念を世間に周知徹底させるための時間がなさすぎます。つまりかれらが唱える理念があまりにも抽象的で具体的なイメージを持ちにくく、世間からは高市政権とそれを支える自民党に対抗するための “結集軸” と看做されているからです。そうなると「中道」は(設立者の意図する)保革を超えた存在どころか、単なる “反自民” の政党に堕してしまう可能性が極めて高いのです。
ふたつめは「中道」の設立者のひとりである斎藤鉄夫氏は、2年前の国交省時代に最高裁判決に基づいて辺野古の「代執行」を承認した張本人です。しかも今年1月に普天間基地の移転先は「辺野古」であると明言しています。つまりオール沖縄にとって極めて都合の悪い “人物” であり、そんな輩に簡単に “しっぽを振る” 活動家が我が沖縄に存在するとは思えませんが、次回はその点も踏まえて「中道」が我が沖縄の政局にどのような影響を与えるか考察します。