コラム 7月19日の沖縄タイムス総合欄(3面)の記事について思うこと – その後の展開

7月28日付けの沖縄タイムス朝刊に、1面から大きく稲田朋美防衛大臣の辞任へのニュースと、蓮舫代表辞任のニュースが掲載されていました。相も変わらず稲田大臣を大きく取り上げていますが、今回の記事も蓮舫代表辞任に関して「公職選挙法違反の疑い」という単語はどこにも見当たりませんでした。ブログ主は「タイミングの悪い辞任劇」として稲田大臣と蓮舫代表の辞任がセットで取り上げられていることに物凄く違和感を覚えますが、果して気のせいで済ませていいものでしょうか。

珍しく社説で蓮舫代表の辞任を取り上げていました。全文を掲載しますのでご参照ください。

民進党の蓮舫代表が辞任を表明した。

党初の代表選で当選したのは昨年9月。1年足らずの辞任に「東京都議選と通じて自分の足らざる部分に気付いた。統率する力が私には不足していた」と述べた。支持率が続落を続ける責任を取った形だ。

だが、一向に変わらぬ党の混乱を鑑みれば、そんな殊勝な姿さえ疑問が湧く。

自民党が歴史的大敗を喫した都議選で、同様に大敗したのは民進党である。蓮舫氏は当初「極めて深刻で非常に残念な結果となったが、最前線で引き続き頑張りたい」と引責辞任を否定していた。

しかし党内で収まらぬ責任論の末に、野田佳彦幹事長が辞任を表明したのは都議選から3週間後。「加計問題」を巡る参議院予算委の閉会中審査で、蓮舫氏が安倍晋三首相の矛盾を追及した日だった。安倍政権が窮地に立たされ、野党第1党として攻勢をかけるべき時期の幹事長の辞任表明。それに続く代表辞任である。「なぜ今なのか」。理解に苦しむ。

蓮舫氏は会見で「遠心力を求心力に戻す」と繰り返し、来るべき解散総選挙を万全の態勢で臨みたいとの意向を示した。

国民が野党に望むことは何なのか。加計・森友学園問題など民進党はこの間、安倍政権を問いただす役割を担ってきた。「PKO日報」問題の閉会中審査を前に、その役割を放棄したかのような辞任劇は、いかにもタイミングが悪い。

安倍政権の支持率がかつてないほど低迷しても、民進党の支持率は上がらない、野党第1党として政権の「受け皿」と認知されないことに蓮舫氏も危機感をあらわにする。

なぜなのか、政党にとって重要な政策の軸が定まらないことが大きい。

象徴的なのはエネルギー政策と野党共闘だ。「安倍1強」体制への危機感より、有権者からは共闘を望む声が上がるが、蓮舫氏の歯切れは悪い。エネルギー政策でも、原発回帰を進める安倍政権の対立軸として「30年代原発ゼロ」を打ち出したのに、連合傘下の電力労組などへの配慮から、その後あいまいに終始している。

こうした党執行部の揺らぎに乗じ、長島昭久衆議院議員は共産党との選挙協力に反発して離党。改憲を巡っても、代表代行として蓮舫氏を支えていた細野豪族志氏が「議論さえしない」と批判して辞任した。

党幹部の相次ぐ離反は、民進党の政党としての課題を表面化している。蓮舫氏は、党内の多様な意見が「健全な民主主義の証し」とするが、それをまとめる方策がなければ単なる「寄り合い」政党と揶揄されても仕方あるまい。確固たる政策や方針がなければ、代表をすげ替えても国民の支持は得られない。

この機会に野党第1党としての自覚に立ち返ることだ。目指す「二大政党」制の実現はその先にある。

政権との対立軸を鮮明にし、そのための合意形成を丁寧に積み上げる作業が不可欠だ。

いろいろ突っ込みたい部分がありますが、ひとつだけ挙げると、

党幹部の相次ぐ離反は、民進党の政党としての課題を表面化している。蓮舫氏は、党内の多様な意見が「健全な民主主義の証し」とするが、それをまとめる方策がなければ単なる「寄り合い」政党と揶揄されても仕方あるまい。確固たる政策や方針がなければ、代表をすげ替えても国民の支持は得られない。

のご指摘ですが、これって旧社会党からのお約束ではありませんか。「それをまとめる方策がなければ」と記載されていますが、党に所属している議員たちに「俺様ルールを優先して党内ルールを軽視する傾向」があるから、そんなザマになるのです。健全な民主主義は意志決定のルールを何よりも大切にします。そのことが分かっていない議員さんが大勢いらっしゃるということで、まことに不健全な状態と言わざるを得ません。

沖縄タイムスも上から目線で民進党を批判できません。この期におよんでも蓮舫代表の「公職選挙法違反の疑い」を取り上げないのはどういう「大人の事情」があるのかブログ主には想像できません。法令違反の疑いがあり、そのことに対して説明をしない政治家が政党の党首を勤めている時点で異常極まりないのです。そしてお約束の「首相の任命責任を問う」論調も見受けられますが、民進党の代表選挙で蓮舫氏を選んだ党員の責任を追及する論調は見当たりません。相変わらず記事の編集方針に「公平」の観念が欠けるのを目の当たりにして、ブログ主は大いに落胆している次第であります。

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