成人式考

先週日曜日(1月7日)、我が沖縄県でも21市町村で成人式が開催されました。沖縄の成人式は例年荒れることで有名ですが、今年は沖縄タイムスプラスでは『那覇で新成人の逮捕・保護なし・・・「こんなに静かな国際通り始めて」』の見出しで、逮捕者が出なかったことを大々的に報じたように、総じて大人しかった様子でした。だがしかし、荒れなかったことがニュースになる時点で何かがおかしい。

もともと成人式の歴史は昭和21(1946)年、埼玉県蕨市で行われたのが最初で、我が沖縄では昭和29(1954)年ごろから「成年祭」として開催されていたことが地元紙に掲載されていたとのこと。沖縄タイムスプラスに掲載された記事『なぜ沖縄の成人式は“ド派手”になったのか?』では昭和44(1969)年ごろから女性は振袖姿、男性はスーツのスタイルになったと記載されています。

現代のようなバカ騒ぎになったのは平成にはいってからで、21世紀にはいると逮捕者もでる“おバカの祭典”としてド派手な衣装で参列する新成人の姿が全国ニュースなどでも報道されるようになりました。

ちなみに“成人”の語源は見つけることができませんが、論語巻七憲問第十四に下記の一節がありましたのでご参照ください(金谷治訳注『論語』より抜粋)

【読み下し文】

子路、成人を問う。子の曰わく、臧武仲(ぞうぶちゅう)の知、公綽(こうしゃく)の不欲、卞壮子(べんそうし)の勇、冉求(ぜんきゅう)の藝(げい)の若(ごと)き、これを文(かざ)るに礼楽を以てせば、亦た以て成人と為すべし。曰わく、今の成人は、何ぞ必ずしも然らん。利を見ては義を思い、危うきを見ては命を授く、久要(きゅうよう)、平生の言を忘れざる、亦た以て成人と為すべし。

【現代語訳】

子路が成人(できあがった人物)についてお尋ねした。先生は言われた。「臧武仲ほどの智恵と公綽ほどの無欲さと卞壮子ほどの勇気と冉求ほどの教養があって、なお礼儀と雅楽で飾りつけるなら、できあがった人物と言えるだろう」。また言われた、「(だが)このごろの成人(できあがった人物)というのは、何もそうとは限らない。利益を前にして正義を考え、危険を前にして一命を捧げ、古い約束についても普段の一寸した言葉も忘れないというのなら、できあがった人物と言えるだろう」。

もしも孔子先生が現代によみがって、昨今の成人式を見聞したら、おそらく下記のような感想を洩らすと思われます。

(だが)このごろの成人というのは、何もそうは限らない。式を前に貯金して、式の開催日には派手に着飾って、旧友との再会をバカ騒ぎで喜んで恥じない人物なら「成人」と言えるだろう。

現代の成人式は、開催当初に比べてとにかくお金が掛かりすぎるし、参加する新成人の意識も変化していますので、無理に開催する必要もないと思われますが、だがしかし一旦動き出した社会制度は変更するのが極めて困難で、様々な問題を抱えていることに対して眉を潜めながらも、改善が容易でないこともまた事実です。

ではどのように対策すればいいのか、ブログ主は、個人レベルでは遥かに及ばない規模でド派手に成人式を開催すること、具体的には皇室行事のレベルで国家を挙げて大々的に式典を挙行するのが一番いいと考えています。

新潮社から刊行されたドナルドキーン著 『明治天皇を語る』 には、このように記載があります。

明治天皇は晩年、必ず陸海軍の大学、東京帝国大学の卒業式に出席しています。そのころには階段の昇り降りもつらくなり、軍刀を杖がわりに使いました。出席したからといってなにかあるわけではありません。しかし彼がいたために、卒業式はこれは大変な一日だ、と考えたことでしょう。自分たちが学んだことは決してつまらない使い方をしてはいけない、という責任感を持つようになりました(第三章己を捨てる 93㌻からの抜粋)。

この発想で臨めばいいのです。全国から新成人数百名を招待し、式典の様子は全国ネットで生中継、そして天皇陛下が「お言葉」を述べられる規模での成人式を何故開催しなかったのか、実はブログ主は以前から疑問に思っていました。日本国や我が沖縄の未来を担う若者の門出に対して国が大々的に祝う儀式を開催して文句を言う輩はいないでしょう。「軍国主義の復活」なんで抜かす連中は無視すればいいのです。

日本国最高の権威である天皇陛下直々に新成人の門出を祝う中で、これまでのどんちゃん騒ぎができるのか、できるわけありません。そこまで金と覚悟のある新成人は流石に極少数でしょう。ブログ主の主張は極端かもしれませんが、従来のおバカな成人式は平成を限りに終わってほしいと切に願うところであります。


【関連リンク】

知っておきたい冠婚葬祭 – 成人式の由来と歴史

http://kankonsousai-chishiki.com/kan/seijinshiki-rekishi/

2017年1月8日 沖縄タイムスプラス – なぜ沖縄の成人式は“ド派手”になったのか?

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/78781?page=2

2018年1月8日 沖縄タイムスプラス – 那覇で新成人の逮捕・保護なし・・・「こんなに静かな国際通り始めて」

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/192111

Wikipedia – 沖縄の成人式

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E3%81%AE%E6%88%90%E4%BA%BA%E5%BC%8F

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