第104回全国高校野球選手権沖縄大会の観戦記 – 決勝

既にご存じの読者もいらっしゃるかと存じますが、本日(17日)沖縄セルラースタジアム(以下セルスタ)で、第104回全国高校野球選手権沖縄大会の決勝が行われ、興南高校が優勝、4年ぶり13度目の甲子園出場を決めました。

ブログ主は今日も現地で決勝を観戦し、そして帰宅後にQABのアーカイブ配信を視聴した上で、取り急ぎ決勝戦の寸評をまとめてみました。現地の写真データや優勝した興南高校のチーム紹介は後日改めて掲載しますのでご了承ください。

決勝戦は両チームとも準決勝と若干オーダーを変えてきましたが、興南高校はエースの生盛君ではなく、安座間竜玖選手が先発しました。ただし、沖尚側は安座間先発を予想していたらしく、上位打線を右☛左☛右☛右☛左とジグザク気味に組んできて、序盤は安座間君のストレートを徹底的に狙う作戦を取ります。

序盤はこの作戦がハマり、沖尚は3回までにヒット4本を放ちますが、それらはすべてストレートを狙い打ちです。たしかに1,2回は拙攻が目立ちましたが、2回までは余り気にならないレベルで、そのうち安座間君を捕らえるだろうぐらいに思っていたのですが、実は3回表の攻撃で沖尚が致命的なミスを犯してしまうのです。

それは3回の表、沖尚が連打で1アウト1,2塁のチャンスを作るのですが、ここで1番仲村渠君が、初球に投じた安座間君の変化球に手を出して、レフト正面にライナーを打ってしまったのです。それだけではなく、2番の玉那覇くんが辛抱強く四球を選び、2アウト満塁のチャンスを演出したのですが、3番知花くんが、またしても初球の変化球に手を出してレフトフライを打ち上げてしまいます。

実は、仲村渠君も知花君も初球に甘い球が来たので “ついうっかり” 手を出したのは理解できます。しかも高めの変化球という絶好球でしたので、いいバッターであればあるほど振ってきます。だがしかし、沖尚は安座間攻略の戦術としてストレート狙いを徹底してましたので、このケースではどんなに球が甘くても、

初球に手を出してはいけなかったのです。

せめて2ストライクまでは我慢しろよ…とバックネット裏で突っ込みたい衝動を必死でこらえていたブログ主ですが、結果的に3回表の拙攻がチームの歯車を狂わせてしまいます。でもこの案件は選手個人の問題というより、沖尚は春の大会からチームを作り直してきた関係上、チームの完成度を上げる時間が不足していたのが要因かもしれません。

参考までに3回裏の興南の攻撃でも似たような状況が起こり、1アウト1,2塁のチャンスで、1番仲程君が初球の甘いスライダーをフルスウィングしてタイムリーヒットを放ちます。ただし、興南は沖尚のようなチームバッティングの指示は出てなかった以上(強いていうなら低めのスライダーと思ったら振るなぐらいの緩い決まり事)、この場面は好球必打の精神で初球から手を出してもOKなのです。むしろ見のがしたら監督から怒られます(笑)。

ブログ主は前日の準決勝を現場で観戦した印象として “打のタレントの差で興南が優勝する” と予想してましたが、今日の決勝を観戦して、選手たちの作戦遂行能力の違いが勝敗を分けたと痛感しました。ただし沖尚は2年生がスタメンに数多く出場してましたので、今日の敗戦を教訓に、来年は強いチームを作ってほしいを思った次第であります。

優勝した興南高校は平成22年(2010)と比べると、控え選手のレベルが高く、総合力では島袋投手を擁した2010年のチームに最も接近した強いチームと断言できます。チーム分析は後日改めてアップすることにして、甲子園大会では最低でもベスト8まで勝ち進んでほしいと思うブログ主であります(終わり)。