「ニュース女子」一連の流れを時系列でまとめたよ。

2017年1月2日に放映された「ニュース女子」関連の騒動がまだ続いていますね。そこでブログ主がここまでの流れを時系列で纏めてみました。

20170302

それにともなって、今回は1月28日の琉球新報の社説、2月13日の我那覇真子さん等から公表された「公開質問並びに公開討論申し入れ状」、2月27日に公表された東京MXTVの当社見解、3月1日に掲載された琉球新報の社説を掲載し、ブログ主の感想を添付しました。ご参照ください。


2017年1月28日(土曜日)琉球新報社説(Web サイト魚拓から)

〈社説〉 沖縄ヘイト告発 辛叔玉さんを支持する

デマを拡散し、基地のない平和な島を望む市民に対する憎悪を扇動するような番組を、看破するわけにはいかない。

東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の番組「ニュース女子」が米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民を中傷した問題で、名指しされた市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛叔玉(シンスゴ)さんが、放送倫理・番組向上機構(BPO)に対し、訂正放送や謝罪など人権救済を申し立てた。辛さんの申し立てを全面的に支持する。

「ニュース女子」は1月2日の放送で沖縄の基地問題を特集し、ヘリパッド建設に反対する市民を「過激派デモの武闘派集団『シルバー部隊』」とレッテルを貼り、「テロリスト」呼ばわりした。「反対派が救急車を止めた」と虚偽の放送をし、危険でもないのに現場を取材せず「反対派の暴力で近寄れない」と印象操作する。辛さんについては「反対運動を扇動している黒幕」「反対運動参加者に『日当』を出して『雇い入れ』ている」とやゆした。

「ニュース女子」は16日の放送の最後のテロップで「様々なメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送しました」と開き直った。政策したDHCシアターは、番組への批判について「誹謗中傷」と反論し、「基地反対派の言い分を聞く必要はない」と居直っている・

対立した見解がある場合、双方の言い分を取材するのは報道のイロハである。東京MXテレビはそれを怠り、取材を受けていない辛さんを公共の電波を使って誹謗中傷した。同時に新基地建設に反対する人々を事実に基づかず中傷し、おとしめた。まさに「沖縄ヘイト」である。

辛さんが指摘するように番組が「『まつろわぬ者ども』を社会から抹殺するために、悪意を持って作られ、確信犯的に放送された」のであれば、報道機関として一線を越えている。権力の監視こそが報道の使命であるはずなのに、70年以上も基地を押しつけられ構造的差別にさいなまされてきた沖縄と向き合う姿勢が全くみられない。

BPO放送人権委員会の厳正な審議・審理を望む。東京MXテレビに対して、あらためて番組の訂正および辛さんと誹謗中傷された人々への謝罪、損なわれた人権の回復を求める。

この社説の前提は「(米軍北部訓練場のヘリパッド建設反対等)米軍基地をなくして平和な沖縄を実現することは県民の総意であり、反対運動およびそれに賛同する市民活動家への事実に基づかない誹謗・中傷『沖縄ヘイト』そのものにあたる」になります。現実に沖縄県民の総意が「米軍基地反対」かどうかは別として、琉球新報社はそのように考えていることが伺われます。


平成29年2月13日 公開質問並びに公開討論申し入れ状

東京都新宿区大久保2丁目7-1

大久保フジビル311ペンの事務所気付

のりこえねっと共同代表 辛叔玉殿

沖縄在住「ニュース女子」インタビュー出演者

琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会代表運営委員 我那覇真子

沖縄教育オンブズマン協会会長 手登根安則

カナンファーム代表 依田啓示

上記三名は、連名して貴女に公開質問と公開討論を呼びかける。

貴女は、東京MXテレビに対し、1月2日に放映された番組「ニュース女子」の内容が、虚偽とデマに満ちた人権侵害番組として激しく抗議しBPOにも訴えている。我々は、沖縄県に在住し真実に接する者として貴女の一連の言動を、県民の誇りにかけて看破するわけにはいかないと考える。何故なら貴女こそが過激な活動家を現地、高江に送り込み、違法行為を扇動した張本人ではないか。貴女抗議は、東京MXテレビによって自らの不法行為と虚偽が首都圏から全国に拡散されるのを恐れ、これを阻止する事が目的と断じれる。その為に貴女は、沖縄県を日本の植民地と言い、ありもしない沖縄ヘイトに論理をすり替えた。日本国民である我々沖縄県民が、在日朝鮮人たる貴女に愚弄される謂れがどこにあろうか。

それでも貴女が自らの正当性を主張するのなら、以下の質問に返答を拒む正当な理由はあるはずもない。速やかに返答されたい。

1)公開質問

以下に挙げる事実を貴女は承知しているのか否かをお答え頂きたい。

①反対派活動家による高江地域における違法な私的車両検問とその常態化について。

②反対派活動家が高江地域の生活基幹道路上に多数の車両を縦横に放置し、村民の通学、通勤、通院、作物出荷に破壊的な損害を与え、何度も生活を脅かしていた事実について。

③反対派活動家が、職務中の防衛局職員、機動隊員、建設作業員に対して、日常的に暴力行為、ヘイトスピーチを行い人権を侵害していた事実について。

④反対派活動家による立ち入り禁止地区への常態化した不法侵入について。

⑤山城博治平和運動センター議長をリーダーとする活動家集団が機動隊員宿泊を不満とし、近隣の当該ホテル入入口敷地内において、脅迫による威力業務妨害を行った事実について。

2)公開討論の申し入れ

連名の三名は、貴女に対し、事の理非を日本国民すべての前で明らかにすべく公開討論を申し入れたい。

日本国は、報道の自由ならびに表現の自由の保障された国であり、我々国民は、これを守らなければならない価値であると考える。民主主義社会においては特定の集団や勢力の政治的専横は断じて認められるものではないという事だ。よって、貴女の人権を悪用しての東京MXテレビ弾圧、人身攻撃は断じて許されるものではない。言語道断とはこのことだ。我々は、貴女の一連の言動が反日工作につながるものと解している。北朝鮮による無慈悲な日本人拉致、同国内における、処刑、強制収容所送り等のすさまじい現在進行中の同朋人権蹂躙に対して、貴女が抗議しない不思議についても問うてみたい。それにしても、外国人の身でこれ程の反日活動を行うとは、驚きである。その様な貴女の信念の強さと行動力に対し我々はある種の敬意を感ずるものである。貴女の中天高く振り上げたこぶしは、そのまま降ろすわけにはいかない事でしょう、我々は、音に聞こえた貴女の雄弁と我らの言を戦わせてみたい。速やかなる返答を求む。

この公開質問状への回答、公開討論申し入れについての諾否は我那覇真子が代表を務める琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会メールアドレス宛(中略)にメールの上かつのりこえねっとのホームページ、ご自身のツイッター等のSNS上に表明された。回答期限は平成29年2月22日までとする。よろしくご検討されたし。(以下略)

この公開質問を読んで真っ先に頭にうかんだのが、1月2日のDHCシアターが発表した見解の中にあった

「これらの情報の中には裏取りができないものもあり、番組では一切使用しておりませんが」

の文章です。この一文からハッキリと「こっちがその気になったら(裏取りしたら)放送するよ。」との意図が伺われます。つまり「あなた方にとってもっと都合の悪くなる情報があるんだよ」と警告しているようなもので、事実「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会代表」のその後の動きを見ると、高江のヘリパッド反対運動に参加している市民活動家にとって極めて都合の悪い情報をすでに入手していることは疑いの余地がありません。


2月27日 東京メトロポリタンテレビジョン 番組「ニュース女子」に関する当社見解

1月2日に放送されました、番組「ニュース女子」で沖縄米軍基地反対運動について取り上げました。放送後より、番組内容について多方面から虚偽である、捏造である、沖縄ヘイトである、人種差別である等々の批判が寄せられました。

本番組については、2月10日のBPO放送倫理検証委員会の討議において、審議入りが決定しました。当社は、同委員会の調査に協力しており、同委員会の討議及び審議結果を尊重するため影響がおよばないよう、当社見解の発表を控えておりました。しかしながら、この間、一部報道機関において、本番組が捏造・虚偽である、沖縄ヘイトである、人権侵害であるなど、本番組の内容や事実、当社が本番組を放送した意図と大きくかけ離れた報道等がなされている現状に鑑み、BPO放送倫理検証委員会の審議決議を待たずして、本番組に関する当社の見解を、以下のとおり公表することといたしました。

本番組は、沖縄県東村高江区のヘリパッド建設反対運動において、一部の過激な活動が地元住民の生活に大きな支障を生じさせている現状等、沖縄基地問題において、これまで他のメディアで紹介されることが少なかった「声」を、現地に赴いて取材し、伝えるという意図で企画されたものであり、当社としてもこの問題に関する議論の一環として放送したものです。

当社では、本番組の放送後、視聴者の方々等から寄せられた指摘等を踏まえ、本番組の内容について調査、確認を実施した上で、本番組について次のとおり考えるに至っております。

①番組で使用した映像・画像の出典根拠は明確でした。

②番組内で伝えた事象は、番組スタッフによる取材、各新聞社等による記事等の合理的根拠に基づく説明であったと判断しております。

③上記①および②のとおり、事実関係において捏造、虚偽があったとは認められず、放送法及び放送基準に沿った政策内容であったと判断しております。

④本番組は、当社が直接関与しない制作会社で制作された番組を当社で放送するという持込番組に該当しますが、当社は、放送を行った点において放送責任を負う立場にあり、持込番組であっても内容のチェックを行っています。しかしながら、本番組では、違法行為を行う過激な活動家に焦点を当てるがあまり、適法に活動されている方々に対して誤解を生じさせる余地がある表現があったことは否めず、当社として遺憾と考えております。

⑤番組の考査体制に関し、より番組内容のチェックレベルを向上させるため、考査手順、考査体制に関し更なる検討を行います。

⑥再取材、追加取材をもとに番組を制作し、放送致します。調査及び取材を丁寧に実施するため、数ヶ月の制作期間を経て放送することを予定しています。

当社は、駐留米軍基地に反対の立場の方が多数おられる一方で、駐留米軍基地との共存を容認する立場の方も数多くおられることにも十分に配慮しつつ、取材を継続して参りたいと考えております。

当社としては、引き続き放送法・放送基準を遵守し、様々な視点から取材を行い、公平・公正な番組を制作して参ります。

2月28日 東京メトロポリタンテレビジョン株式会社放送番組審議会の意見書

「ニュース女子」問題への対応について(意見)

放送法第6条(放送番組審議機関)第1項で、審議機関について「放送番組の適正を図るため」に設置することをうたっている。そのうえで、この審議機関は、第2項において、放送事業者からの諮問事項への審議とともに「放送事業者に対して意見を述べることができる」とし、第4項において「放送事業者は、審議機関が(中略)意見を述べた事項があるときは、これを尊重して必要な措置をしなければならない」と定めている。

本放送番組審議会は、本日の審議会で審査対象となった「ニュース女子」(2017年1月2日、9日放送分)への対応が「放送番組の適正を図るため」極めて重要であるとの認識で一致し、以下の2点について意見を具申することとした。社内で十分に検討のうえ、必要な措置を実施していただきたい。なお、その結果については改めて本審議会にご報告いただきたい。

1 視聴者などから指摘を受けた問題点について、指摘を真摯に受け止め、現地での追加取材を行い、可能な限り多角的な視点で十分な再取材をした番組を制作し、遅くとも2017年上半期中に放送するよう努めること。

2 持ち込み番組を含めた社内の考査体制について、更に検討を進めた体制を7月1日までに再構築するとともに、その一環として「持ち込み番組に対する考査ガイドライン」を制定し、周知のうえ、実効性を確保すること。

以上

2月27日に公表された東京MXTVの見解からは、BPOの審査期間内に発表することは「好ましくない」ことを認めつつも「やむを得ず」公表に踏み切ったことが伺えます。この見解(および28日公表の意見書)のポイントはMXTV側が「検証番組を制作して放映すること」を明言したことに尽きます。


3月1日 琉球新報〈社説〉東京MXの見解 事実を曲げて開き直るとは

事実をねじ曲げた番組を反省せず開き直るとはどういうことか。事実を放送する責任を放棄するならば、存在意義さえ疑われる。

東京MXテレビは、1月2日放送の「ニュース女子」について「事実関係において捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法および放送基準に沿った内容だった」との見解を発表した。今後も虚偽を事実として放送すると宣言したに等しい。

事実でないことをあたかも事実であるかのように伝えることは「捏造」にほかならない。真実でないことを真実と見せ掛けることは「虚偽」以外の何物でもない。

番組では、北部訓練場のヘリパッド建設反対運動に参加する人たちを「テロリスト」に例え、反対運動で救急車が現場に向かえないだど、数々の「うそ」を流した。にもかかわらず「捏造、虚偽があったとは認められない」と結論付けたのである。

東京MXの「放送番組の基準」には「放送を通じてすべての人の人権を守り、人格を尊重する。個人、団体の名誉、信用を傷つけない」とある。

ヘイトスピーチ(憎悪表現)などに反対する団体「のりこえねっと」の辛叔玉(シンスゴ)共同代表は、沖縄の基地反対運動を扇動する黒幕であるかのような虚偽の内容で批判された。「放送基準」に反する明らかな名誉既存(きそん)である。

「放送基準」には「政治、経済、社会生活上の諸問題は公正、公平に取り扱う」ともある。だが、番組を制作したDHCシアターは「犯罪や不法行為を行っている集団を内包し、容認している基地反対派の言い分を聞く必要はない」としている。「放送基準」からも到底認められないはずだ。

東京MXは「違法行為を行う過激な活動家に焦点を当てるがあまり、適法に活動されている方々に関して誤解を生じさせる余地ある表現」があり「遺憾」ともした。

「誤解」とは、視聴者が間違った解釈をすることであり、そのことが残念だったと言っているにすぎない。

東京MXは再取材して放送することも表明した。事実を追求する姿勢がない現状のままでは、事実に迫る番組は期待できない。

放送は全て事実に基づかなければならない。その常道を踏み外したことを真摯(しんし)に反省し、対策を講じない限り、東京MXは信頼を回復できない。

この琉球新報の社説の意図は「我々の立場や主張をちっとも斟酌していない」になるでしょう。本音では「検証番組を作成してほしくない」と考えているのかもしれません。(終わり)

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