史料整理中にまたまた突っ込まざるを得ない記事を見つけてしまった件

当運営ブログも実はまもなく1000記事投稿の節目を迎えつつあります。その過程で数多くの新聞記事をコピーしてきましたが、その史料整理中にやはり突っ込まざるを得ない記事を山ほど見つけてしまいました。

明治から昭和にかけての3面記事を比較すると、やはりアメリカ世時代の先輩たちのやらかしレベルの高さには本当に驚かされます。今回は昭和36年から37年にかけてのシージャ(先輩)たちのやらかしを中心に紹介します。是非ご参照ください。

マジでこんな理由

神里巡査派出所改称 / 神里原巡査派出所

那覇署は 神里原巡査派出所神里巡査派出所に名称替えをこの20日から行った。これは神里原が

一時殺人強盗と凶悪事件発生で悪影響を与えていたので、

このさい住民の派出所だとして 神里原神里に改称したもの。神里は呼び名もスマートだと住民からも親しまれている。(昭和37年6月24日付琉球新報夕刊3面)

ちなみにこれは本当の話で、神里原(かんざとばる)のイメージを最悪にした事件は下記参照ください。

深夜の神里原盛り場でドス揮う酵漢の殺人

盛り場をはいかいする街の暴力は愈よ猛威を揮い又々刄傷沙汰、死傷事件が突發した、きのう午前0時半頃大宜味村鹽屋區一班無職みや城善盛(二一)とその從兄真和志村与儀區蠶糸検定所技官補みや城善正(二五)兩名が酩ていのうえ那覇神里原在食堂”銀座”前の道路上で氏名不詳の二人組の酵漢と出合つたとたん暴力癖のある善盛が喧かを売つたが相手の二人組はそれにかまわずそのまゝ通り過ぎ食堂銀座をたゝき起しているのを善盛が更に”銀座”食堂前の二人組のところに押しかけていつたところ忽ち善盛、善正兩者と件の二名の醉漢とが双方對峠して亂闘となり、間もなく善正は血を浴びて大劇方向に逃走、殘る善盛は二人にさんざん擲られたうえドス様な鋭利な刃物でへその下を突かれ現場から約二十米位の路上で約三〇分間位苦悶の後、遂に絕命、加害者の二人組は善正の「泥棒ヽ」との叫び声に驚いて逸早くも逃走した、那覇署では目下犯人捜索中だが、大体目ぼしがついている模様で傷害癖のある强か者といわれる、なお善盛の屍体は那覇地区病院大宜味医官の解剖の結果左斜腹こう約二糎の創傷で小腸に穿孔をきたし腹こう内多量出欠による死因と認められた一方善正は右腹部上はく部大腿部に縫合十一針の切創を負い自宅で治療中、死亡した善盛は去る十月美里診療所に斬込みの藥品窃盗容疑で全島手配中の者だった(昭和25年11月22日付うるま新報3面)

表現力

悪の丘の雑草刈る / 山下町民がが環境を浄化

明るく住みよい町をつくろうと立ち上がった那覇市山下町の有志たちが、不良者や痴漢などのたまり場となっているペリー区内丘の雑草や雑木を刈りとって犯罪の潜伏場所を浄化、話題になっている。

この場所は同町ペリー劇場近くの丘で、町なの子どもたちも ドロボーがかくれていると、こわがって近寄らないほど悪名高いところ。これを憂慮した教育隣り組会長比嘉賢松氏や、同町の宮里敏歴氏夫妻のほか有志50余人が、先日中旬から日曜日のたびに、カマやノコギリを持ってせっせと刈りとりこの3日にやっとこの丘を丸坊主にした。

山下町派出所では「これまで不良者やドロボー、痴漢などが潜伏して、町内の悪の根源になっていた。こんど同町の有志たちが立ちあがって派出所と協力、雑草を刈りとってすっかり明るい場所になった」といっている〔。〕その後はこの丘で不良者がうろつく姿は見られず、町民たちも大喜びである。(昭和37年6月10日付琉球新報夕刊03面)

ちょうど今の奥武山公園向かい側あたりの山下東公園あたりのことかと思われますが、当時は山下公園に限らず各地の公園が “不良のたまり場” と化していた時代です。つまり現代の公園とは比較にならないレベルで整備されていなかったんだなと痛感します。

それにしても “悪の丘” の表現にはじわじわくるものがあります。

したたかもの

強窃盗など250件 / 17歳の少年、余罪ぞくぞく

那覇署はこの26日から、さきにコザ署につかまり少年院に収容されていた那覇市若狭町T少年(17)を1週間身柄を那覇署に移して取り調べを行なっているが、T少年は余罪をつぎつぎ自供、那覇だけで50件余りもあり 恐るべき17歳だと係員も驚いていた。

T少年は昨年3月ごろ那覇市壺屋街16、大城幸子さん(28)宅から20㌦入れ金庫を盗んだのをはじめ、市内各地を荒らしまわり、現在被害届のあるものだけで50件を越し、届け出のないものを含めると100件ものぼると係員はいっている。コザ、那覇を含めると250件を越すといわれ、盗みも盗んだり家財道具総ナメという犯行をやってみせ、万引き、強盗、脅迫、さまざまな罪を犯すというしたたかもの。(昭和37年6月30日付琉球新報7面)

ちなみにその後これよりすごい案件が発生するあたりにアメリカ世時代の先輩たちのすごさを実感します。

殿堂入り

エロ雑誌盗む少年 / 那覇署が現行犯で補導

那覇署は7日午後8時半ごろ、那覇市寒川町、首里中2年T(14)を盗みの現行犯で補導した。Tは市内牧志2の66、仙喜書店で店員のすきにエロ雑誌を万引きして逃げるところを、店員につかまえられて那覇署につき出されたもの。そのほか那覇市内で現金1㌦余を盗んで持っていた。

那覇少年係ではこれを機会に青少年育成に害をおよぼすようなエロ雑誌の販売は慎んでもらうよう各書店に要望することになった。(昭和36年11月8日付琉球新報夕刊3面)

このT少年、まちがいなく学校では大ヒーロー扱いです(笑)

おい、待て!

お知らせ

糸数元徹 右のもの6月18日付を以って退職致しましたので以後当社とはなんの関係もありません。

那覇市松尾174

株式会社 第一貿易

ヤクザの破門状そのものの文面にアメリカ世時代の闇を感じざるを得ません。(終わり)

 

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