森発言考

今月3日、日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議会での森喜朗会長(当時)の発言が絶賛炎上したのは記憶に新しいのですが、ブログ主はこの案件にひっかかるものがあり、さっそく発言全文を写本しました。

そこで気が付いたのは、森の女性差別と思われる発言は明らかな “確信犯” であることです。しかも興味深いのは森氏が問題発言の前に “煽り” を入れていることです。ためしにその部分を抜粋すると、

余計なことを申し上げましたが、今日、本当はお願いに来たわけですよ。いよいよ、JOCのお力を借りて、スポーツ協会の方のお力を借りて、五輪目前であります。あと半年です。ぜひ実現したい。今日もそうですが、見出しをみていると「森が謝った」とか「早く辞めろ」とか、そういう記事がたくさんばかり出ています。こないだまで悪口は山下さんばかりだったんだけど、最近は私か菅さんとどっちが多いかというぐらい悪者になってますね。うちの家内にこの年になって「総理の時は我慢していたけれど、総理の時よりも悪口を言われるということはよっぽど悪いことをしているんですか」と言われるんですが、

切り取るところが、悪いんだろう

といって女房を説得しているわけです。

とあり、つまり「お前らは絶対に切り取って騒ぐだろう」と予告をしたうえで、例の女性蔑視と受けられるような発言をしたのです。

ではなぜこのようなお祭り騒ぎを演出したかですが、ブログ主が思うに理由は2つあって

1.この発言をきっかけに五輪中止を望む声がどの程度あるかを見極めること

2.JOCが本当に隠したい、触れられたくない緊急の事態があること

になりましょうか。1番目の発言は森発言全文のなかでも少し触れていましたので、その部分を抜粋すると、

端的に言うと、いま出ているニュースは山下さんや私に対するものというのは、結局オリンピックをさせたくないんですよ。オリンピックを失敗したら菅さんに責任取らせるし、森にも責任を持たせるし、山下さんも。ということを考えている方がスポーツ関係の中にもかなりおられると。

とあり、つまり森叩きを名目に「やはり五輪開催はムリだ」と本音で思っている連中を “あぶり出した” のです。そしてその思惑は成功したと見て間違いありません。

もうひとつの理由について、隠したい何かがいまいちハッキリしませんでしたが、その後の報道で確信できました。ひとつは近藤隆夫氏(スポーツジャーナリスト)のコラム、もう一つは文春の記事です。

山口香JOC理事「国民が五輪開催のリスクを負うことが問題」契約の不透明さに疑義(近藤隆夫) – 個人 – Yahoo!ニュース

ロイター記者、待機期間のパーティー参加でコロナ変異株が感染拡大

誤解を恐れずにハッキリ言うと、JOC(おそらく東京都や政府も含む)が本当に隠したいのは

東京オリンピック後に新型コロナウィルスの大規模クラスターが発生する可能性を想定していること

で間違いありません。

文春の記事の前に森発言が出たのは決して偶然ではありません。事実3日以降の在野は森関連の記事一色で、そしてタイミングよく11日に後任人事が発表されたじゃありませんか。本当に隠したい案件があるときの常套手段で、換言すれば既存マスコミは森氏の思惑に全面的に “協力” したのです。

今回の案件でブログ主が失望したのは “権力を監視する” がお題目の既存マスコミが、結果として森氏にまんまとはめられたことです。

いかに新聞記者個人や既存マスコミが堕落しているかが伺えますが、

参考までにその象徴を貼り付けておいて今回の記事を終えます。

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