2つのスキャンダルと沖縄タイムス – その2

(続き)今回は立憲民主党の屋良朝博氏にかかわる週刊誌報道を沖縄タイムスがどのように報道したかを検証します。結論を先に申し上げますと、沖縄タイムス側は今回の疑惑に対して本音では “クロ” と思っていることで間違いありません。

理由は簡単で記事内インタビューで屋良氏が「言葉の受け止め方や認識に違いがあるかもしれないが、お金を受け取った事実はない」と返答しているように、返金の事実はないことだけ強調しているからです。この問題は元政策秘書に対して給与の一部返金を要求した点が重大であり、この点についてあいまいな返答、言い換えると「そんなつもりで言った覚えはない」で済まそうとしているのが素人目にも見え見えなのです。

その点も踏まえて沖縄タイムスが屋良氏のスキャンダルをどのように取り扱ったのか、その前に記事全文をアップしますので読者のみなさん、是非ご参照ください。

給与一部返金元秘書が証言 – 屋良氏は否定

立憲民主党の屋良朝博前衆院議員が元政策秘書に給与の一部返金を要求したとする週刊誌の報道に関し、元政策秘書が本紙取材に応じ、屋良氏から「秘書給与の一部を戻すよう言われた」と証言した。一方、屋良氏は取材に「言葉の受け止め方や認識に違いがあるかもしれないが、お金を受け取った事実はない」と返金の事実を否定した。

元政策秘書は、屋良氏から昨年12月10日に解雇予告を受け、「明日から来なくていい。1月は働かなくていいから秘書給与の一部の10万円を戻すように」と言われたと説明した。

屋良氏は取材に「私は1円も受け取っていない」と反論。「昨年12月の話がこのタイミングで出て来てびっくりしている」と述べた。

立民党本部は本紙取材に、元政策秘書から今年1月9日付で退職届が提出されたとした上で「2021年1月分まで給与は満額支給されていると認識している」と回答した。(令和03年10月16日付沖縄タイムス2面)

ちなみにこの記事は隅っこに小さく配置されていました。

しかもその上には “政権交代訴え気勢 / 屋良氏が街頭演説会” との記事を配置しています(参考までに全文をアップしておきます)

政権交代交代訴え気勢屋良氏が街頭演説会

衆院沖縄3区に立候補予定で前職の屋良朝博(59)=立民=の総決起街頭演説会が15日、沖縄市内であった。玉城デニー知事も応援に駆け付け、名護市辺野古の新基地建設反対や県民所得の向上、政権交代を訴えて気勢を上げた。

屋良氏は新基地建設について「既に(反対する)県民の民意が示されている」と指摘。「沖縄の民意を訴えたら予算が削られるというのは間違い。沖縄の民意を軽く扱う政治は許されるか」と問い掛けた。

沖縄振興については、県民所得向上のため、物流コストの軽減と鉄軌道の整備などが必要と呼び掛けた。

玉城知事は「普天間や辺野古の問題に加え、子どもの貧困への対応、新型コロナウィルスで影響を受けた経済立て直しも争点」と指摘。「県民の声を国政に届けられる人を選ぶ必要がある」と演説した。

仲村未央県議は「知事に結集さえる県民の民意はいささかも揺らいでいない。団結を崩さず勝利を勝ち取り、沖縄の明日を開こう」と呼び掛けた。(令和03年10月16日付沖縄タイムス2面)

ここまでくればお分かりかと思われますが、屋良氏のスキャンダルを “できるだけ目に触れさせたくない” との(編集局の)強い意思を感じます。結果として特定候補の立場に阿ねた報道姿勢になっているのですが、おそらくこれはやむを得ない事情があると思われます。

ご存じの通り屋良朝博氏は沖縄タイムス社のOBです。OBの苦境に対して手心を加えたくなるのは人情として理解できます。だがしかし、それ以上に

沖縄タイムスの編集局は屋良朝博氏がどのような人物かを熟知している

ため、このように報道をせざるを得なかったと思われるのです。そしてブログ主は、

おバカなOBを持つ沖縄タイムス社員たちの苦悩に心底同情しつつ

今回の記事を終えます。

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