県知事選を終えて – オール沖縄の末路(1)

今回は、去る11日に投開票が行われた令和04年執行沖縄県知事選挙に関し、県政与党であるオール沖縄の視点から選挙結果と今後の政局をブログ主なりに考察・言及します。

前回アップした記事 “県知事選を終えて” の中で既に言及しましたが、今回の選挙は “旧統一教会系団体と付き合いがあった人物が沖縄県知事に相応しいか否か” が最大のテーマになってしまいました。その流れを受けて、現職の玉城デニー候補は、「人柄を前面に押し出す」戦術で常に選挙戦を優位に展開、そして見事当選します。

令和04年09月13日付沖縄タイムス一面の題字が “基地弱め争点つぶし / 人柄全面 触れ合い重視” とある通り、候補者の人間性を全面に押し出す戦い方は、裏を返すと基地問題の訴えが相対的に低下し、組織がバラバラになるリスクがあったわけです。それゆえに、玉城氏が当選したことでし “とりあえずホッとした” というのが支持団体の本音ではないかと思われます。

近年の選挙を振り返ると、オール沖縄陣営は軒並み苦戦しています。市長選では連敗続き(宮古島市除く)、直近の参議院選挙も現職の伊波洋一氏が新人(古謝玄太氏)にあと一歩で敗れるところまで追い詰められました。そのため、知事選の快勝を奇貨として “オール沖縄を立て直す” きっかけにしたいところでありますが、果たしてそんなことが可能かどうか。ブログ主は「それは無理だ」と断言できます。

その理由は、我が宜野湾市長選におけるオール沖縄陣営が推薦した仲西春雅候補の “歴史的惨敗” にあります。あまりの負けっぷりに沖縄タイムス社が2日にわたり特集記事を掲載する程、世間の注目を集めたわけですが、参考までに過去の宜野湾市長選のデータを(平成15年から今回の選挙まで)時系列でまとめてみましたので、是非ご参照ください。

令和04年09月13日から2日間掲載された特集記事 “現職圧勝の宜野湾 ~ 史上最大票差の内実 ~ “ を要約すると、現職の松川正則氏を推す市政与党(保守系)は、史上初のトリプル選の対応策として、佐喜眞 – 松川 – 市議の三連セット戦術を展開。選対が効率的に機能し、市議選と併せて歴史的な勝利を手にしたのに対し、オール沖縄陣営が推す仲西陣営は早い段階から立候補の意思は固めていたにも関わらず、候補者擁立に手間取り、しかも市政野党の支持基盤がぜい弱なため、組織だった選挙選を展開できず、玉城デニー氏とのセット戦術も不発で……という感じです。

※ちなみに保守系の選挙戦略が極めてうまくいった傍証として、宜野湾市における知事選の得票差のデータもアップします。他の地区では佐喜眞氏とのセット戦術を断る市議候補もいた中で、宜野湾の保守陣営は最後まで三連セット戦術を貫き、その結果佐喜眞氏は前回知事選より得票差を広げています。このデータはブログ主も衝撃でしたが、政治は “義理人情” が大切だということを改めて痛感した次第であります。

理解の補助のためブログ主なりに追記すると、

1,宜野湾の革新勢力は仲西春雅さんに「恩義」があります。というのも4年前の市長選で革新陣営は候補者擁立に手間取り、あと一歩で相手候補の “無投票当選” という所まで追い詰められます。そしてそれを救ってくれたのが仲西氏の立候補だったのです。

2,宜野湾の革新陣営は立候補者が全員当選しても、議会で過半数を得ることができません。宜野湾市は平成26年(2014)のオール沖縄旋風とは逆に、革新陣営が “没落” していく摩訶不思議な政局の現実があり、しかも2年前に行われた沖縄県議会議員選挙における玉城健一郎氏のトップ当選が革新陣営の “凋落” を決定的にします。

つまり、宜野湾の革新陣営は前回の市長選の反省もそこそこに、仲西春雅さんに対し

4年ぶり2度目の人身供養

という不義理を働いてしまったわけです。事実、沖縄タイムスの特集記事によると、

宜野湾は市長選に加え、知事選と市議選も重なる始めての「トリプル選」となった。市長を支える市議候補は現職支持が19人に対し、仲西氏側は9人。このうち現職は5人で、圧倒的に支持基盤が足りないことも響いた。

知名度と政策浸透の遅れを取り戻したいが、組織として歯車がかみ合わず、街頭では仲西氏一人だけでお手振りする姿も目立った。頼みの綱だった玉城氏とのセット戦術も、期待したほどの相乗効果はなかった。

「無投票を避けただけで十分。注力すべきは知事選」

選挙期間中にオール沖縄の幹部が明かした内情が、結果に表れた。

令和04年09月14日付沖縄タイムス2面「現職圧勝の宜野湾 ~ 史上最大票差の内実 ~ ㊦」より抜粋

とあり、オール沖縄陣営も最初から宜野湾は見捨てていたことが窺えます。

恩義ある人に対して、平気で不義理を働くような連中に、落ちぶれた団体を再建する力があるもんか

というのが、宜野湾市長選を俯瞰したブログ主の結論であります。次回は当選した玉城県政の今後についてブログ主なりに言及します(続く)

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