俺が調子に乗って沖縄の高校野球の歴史を語るシリーズ その3

6月11日に北谷球場で毎年恒例の招待試合が開催され、今年は大阪桐蔭高校が来沖して糸満高校と豊見城高校と試合を行いました。本来は2日で4試合を予定でしたが残念ながら12日は雨天中止になってしまいました。11日の試合は糸満高校は5-4で勝利、豊見城高校は1-5(6回雨天ノーゲーム)の結果でした。

今年の大阪桐蔭は春のセンバツで見たかぎりでは打撃面で打ち損じが多く、投手力も不安定のため沖縄の上位チームなら互角に戦える力があると予想していました。練習試合とはいえ糸満高校の勝利は別に驚くことではありません。糸満のエース平安くんの力量があればゲームを作るだけ投球はできます。

少し話がそれましたが、ブログ主は今年は春の沖縄県大会の決勝と3位決定戦を現地で観戦することができましたので、これらのチームの感想と夏の選手権沖縄県予選の展望を調子に乗って記事にします。

春の高校野球県大会優勝の糸満高校は、エースで4番の平安(ひらやす)君と捕手の桃原(とうばる)君のバッテリー、そして1番センターで主将の大城くんが中心の投打にまとまった好チームです。際立った長打力はないのですが、俊足の選手が多くフライアウトが極めて少ない実にやっかいなチームです。春の九州大会でも2勝し、準決勝では惜しくも3-4で福岡大大濠高校に敗北しましたが、県外の公式戦の経験をつんだのは夏の予選を勝ち進む上で大きなアドバンテージになります。

点は伝統的に下位打線が弱いことと、2番手投手が未知数なことでしょう。エースで4番の平安君の負担が大きいため、前後を打つバッターの奮起と下位打線のしぶとさが県大会を勝ち進む上での鍵になります。第一シードの糸満ブロックには、秋の県大会優勝の八重山、そして秋の大会の準優勝チームで好投手の比屋根君を擁する興南高校*が入る大激戦ですが、現時点では糸満高校が頭一つリードしていると予想します。

*糸満高校は春の大会で興南高校と対戦して7-2で勝利しています。

春の県大会準優勝の豊見城高校はアンダースローのエースで4番の翁長くんがチームの柱です。翁長君は球速は120キロ後半ですが、コントロールが良くて失投が少ない投手の印象でした。今年の沖縄県ではNo1の打撃力を誇る美来工科を準決勝で1失点に抑えて勝利しています。球速がなくても丁寧に投球すればゲームを作ることができる典型的な投手で、夏の打線とはいえ翁長君を簡単に打ち崩すことはできないでしょう。

守備力も高く、決勝の糸満高校の試合は、相手のスピードに惑わされることなく、落ち着いたディフェンスを披露していました。ただし弱点は打撃力で、決勝戦では打ち損じが多かった*のは否めません。夏に向けて打撃力をどこまでアップするかがポイントで、春の段階ではベスト8から4クラスのチームと見ます。最大のライバルは秋のベスト4チームである那覇商業でしょう(続く)。

*糸満高校は前日の準決勝の沖縄尚学との試合で延長14回1-0でサヨナラ勝ちします。エースの平安くんは14イニング完投しますが、さすがに翌日の決勝戦では疲れの影響か失投も多かったのです。豊見城の打線はそこに付け込むことができなかったことが最大の敗因になります。