11月8日の鶴保庸介沖縄担当相の参議院内閣委員会の発言に対する沖縄タイムスの反応について思ったこと。

shun-medoruma

鶴保庸介沖縄担当相が11月8日の参議院内閣委員会で、機動隊員が発言した「土人」との言葉に関して「差別であると断じることは到底できない」との考えを示した件に対して、翌9日の沖縄タイムスが「県民反発」との見出しで大々的に批判する記事を掲載しました。

29面には「沖縄相の資格ない」と大見出しを掲げ、事件当事者である目取真俊氏のコメントを掲載しています。ではここで目取真さんのコメント全文を掲載します。

大阪府警機動隊員に「土人」と暴言を受けた芥川賞作家の目取真俊なんに鶴保庸介沖縄担当相の発言擁護について聞いた。

「土人」という言葉だけを取り上げて「差別ではない」としているのだと思うが、機動隊員が私に暴言を発した際の映像を見れば「バカ」とか「クソ」とか述べた後に、吐き捨てるように発言している。これが差別でないなら、どんな差別発言でも許されてしまう。

ヘイトスピーチを取り締まる警察官が公務中に発言した責任も軽視している。鶴保大臣はもともと沖縄にゆかりもなく、思い入れもないのだろう。沖縄担当相の問題や発言というより、安倍政権の思考や思想が表に出た形だ。 

公人である政治家はヘイトスピーチを許してはならない。沖縄担当相という肩書の前に政治家としての資格がない。 

この発言は、おそらく鶴保沖縄担当相の発言を聞いたタイムスの記者が目取真さんにコメントを取りに行った際に、目取真さんが空気を読んでマスコミが喜びそうな発言をしたと予想できます。沖縄タイムスには目取真さんのコメントがよく掲載されるので、このあたりの段取りはお手の物、ツーカーの仲だからこそできる強気の発言です。

このコメントずるいところは、沖縄タイムスの決して公言できない本音を目取真さんに代弁してもらった点です。新聞社の本音は読者の声(沖縄タイムスなら私の主張、あなたの意見)によく反映されますが、目取真さんには芥川賞作家というブランドがあり、かつ事件の当事者なので、29面に顔写真付きでのコメント掲載になったのでしょう。

ただしこの発言にはちょっと困った点があります。「公人である政治家はヘイトスピーチを許してはならない」とありますが、ヘイトスピーチの定義を拡大解釈すれば公人である政治家が民間人の言論を制限できることに繋がります。「公人である以上、ヘイトスピーチと誤解をされる発言は慎むべきだ」が正解です。ヘイトスピーチなんぞ政治権力で潰してしまえと沖縄タイムスは本気で思っているのでしょうか。

「土人発言」の一件は、10月21日に該当の機動隊員に対して戒告の懲戒処分が下されたことで決着がついています。本来はこれで終わりにしないといけませんし、それ故の鶴保沖縄担当相の発言と思われるのですが、これでもかと蒸し返す沖縄のマスコミには正直なところ恐怖すら感じます。(終わり)

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