琉球独立論に対して常々思うこと その4

(続き)アメリカ軍の占領行政を経験した世代には保守、革新ともに「薩摩に占領されて以来400年間沖縄は差別され続けてきた」という認識があります。ブログ主はこの共通認識を「被差別意識」と呼びますが、琉球独立や自治権の拡大の思想的根拠はこの被差別意識にあります

歴史的に本当に差別され続けてきたかどうかは別にして、この被差別意識はもはや宗教レベルの観念になってしまっているため正直なところ説得のしようがないのです。この被差別意識をベースに北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の主体思想が合体したのが現在の独立論や自治権拡大の思想とブログ主は考えています。

1960~70年代は朝鮮半島のイメージは北朝鮮がプラスで韓国が最低最悪でした。北朝鮮は金日成主席の指導のもとに労働者が主体の国家を建設していると真面目に信じられていた時代です。岩波書店の「世界」に連載された「韓国からの通信(T.K生)」の内容がそっくりそのまま韓国のイメージになったと言っても過言ではありません。

時代のトレンドとして金日成主席が提唱した主体思想に沖縄の革新勢力が魅力を感じても別に不思議ではありませんが、

さすがに主体思想の根幹を為す「首領論」を取り込むことはできませんでした

ちなみに首領論とは「人間は主体的に生きる権利があるが、首領の指導の下のよって行動すべきである」という考え方です。

自主・独立・主体性を唱えながら、思想の根幹に “首領の指導” の発想があるため主体思想は日本共産党系の知識人からボロクソに叩かれます。事実瀬長亀次郎氏をはじめ沖縄の共産党員は朝鮮労働党とほとんど関わっていませんでした(アメリカ軍占領行政時は人民党で共産党を名乗ったのは本土復帰後の昭和48年)。朝鮮労働党とお友達だったのは旧社会党系と社会大衆党の活動家たちが中心です。その影響で現代でも沖縄県内では共産党は勢力を維持して、旧社会党や社会大衆党はジリ貧の状態にになってしまったのです(続く)。

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