
既にご存じの読者もいらっしゃるかと思われますが、今月18日の石垣市議会6月定例会本会議で、中山義隆市長に対する不信任案決議が可決され、中山氏は24日、議会は解散せず「自動失職を選択する」と明言しました。
この案件について、ブログ主は琉球新報の記事を中心に各メディアの記事を慎重にチェックしてますが、「県市町村課によると、確認できている2007年度以降、県内で市町村の不信任決議が可決されたのは初めて(6月19日付琉球新報1面より)」との前代未聞の案件でもあり、記事からは明らかな “とまどい” を感じました。
とはいえ、琉球新報の記者たちは非常にいい仕事をしており、彼らに敬意を表しつつ、ブログ主なりに今回の “騒動” について言及します。
まず今回の石垣市政のやらかしは悪質な案件であることを強調しておきます。大雑把にまとめると、行政の不手際を解消するために、市長決裁で議案の日付改ざんが行われ、しかも市の担当課長が議会で虚偽の答弁を行うことでミスのもみ消しを図った問答無用の悪行と言わざるを得ません。
参考までにワシントン事務所の案件と比較すると、ワシントン事務所は国内の法的手続きが曖昧なまま設立され、しかも長年にわたって予算が配分された案件であり、百条委員会などで突っ込みの嵐を食らった挙句、最終的には “閉鎖” に追い込まれました。つまり「行政は法に則る」の大原則に反すると判断された故の “結末” なのです。
そして今回の石垣市政のやらかしを振り返ってみると、行政手続き上の不備に端を発する会計の違法状態を違法行為かつ議会の虚偽答弁で解消を試みた流れであり、
しかも市長の決裁のもと「行政は法に則る」の大原則に真っ向から反する行為を組織ぐるみで行っていたのです。
さらに新聞報道によると、中山市長は初当選時の公約であった「多選自粛条例の制定」を今年3月定例会で撤回表明しています。その直後の不始末なので、もはや言い訳無用、
そのまま引退してください
と突っ込みを入れたくすらなります(怒)
なお、ブログ主は奇妙に思えたのが、ネット上で中山市長を擁護する声が散見され、しかもその数が意外にも多かったことです。我が沖縄の南西諸島は東アジアにおける冷戦の最前線であり、南西諸島に自衛隊が配備されたばかりなので、保守市政に揺らぎがあると確かに都合悪い面はあります。だがしかし台湾有事はあくまでも “近未来の危機” であるのに対し、行政のミスを違法行為でカバーする市政とそれに加担した市長は “現実の脅威” そのものです。ブログ主が中山市長を擁護する人たちに言いたいのは、
行政ミスを組織ぐるみで隠ぺいする連中が、有事の際に適切に対応できると本気で思っているのか?
の一言です。
少し厳しい意見になりましたが、今回の不信任案可決の件は政局云々よりも、行政の信頼を失墜させた石垣市政と市長に対して議会のチェック機能が正常に働いたと判断したほうが無難です。ただしここまでは “石垣市政の問題” だけで終わりますが、失職した中山市長が出直し選挙に出馬となると、石垣市だけの問題では済まなくなります。次回はこの点について言及します。