今回は本来なら琉球・沖縄の歴史ブログで記載すべき内容ではありませんが、5月28日から開催されたバレーボール世界最終予選における男子チームの戦いを観戦しての感想を調子に乗って記事にします。今回の最終予選はフランスやポーランドなどの一流チームやイランも参戦して、前年に行われたワールドカップで予想外の好成績を挙げた日本チームがどのような戦いぶりを見せてくれるか注目していましたが……その結果は「酷い」としか表現できません。
今回一番ひどかったのは選手ではなくて、間違いなく南部正司監督です。ワールドカップの成績で調子に乗りすぎたのでしょうか?対中国戦からボロが出始めて、極めつけは3日目のポーランド戦の采配です。あまりに突っ込みどころが多すぎて記事にするのもめんどくさいのですが、特に第3セットに於ける前代未聞の選手交代&ローテミスは最初大爆笑で、後からは空しさしか残りませんでした。詳細は下記のブログが丁寧にまとめて掲載していますので是非参照願います。
南部監督はパナソニック・パンサーズで実績を残して国内における最高の人材として2014年に全日本の監督に就任したはずですが、今回の最終予選の醜態でVリーグの実績なんぞ世界レベルでは全く通用しない事が白日の下にさらけ出してしまいました。日本のバレーボールにおいて最も世界レベルから遠ざかっているのは実は指導者と選手の育成システムであることも明らかになりました。何故このような惨状になったのでしょうか?
現在のバレーボール協会の運営や選手の育成システム等はすべて故松平康隆氏が築き上げたことはバレーボールファンの間ではよく知られています。1972年のミュンヘンオリンピックで監督として金メダルを獲得しただけではなく、テレビ局とタイアップしてバレーボール競技や選手を積極的に売り込み、そのスポンサー料は日本国内ではなくFIVB(国際バレーボール連盟)を通じて競技人国の普及にも活用します。それ故にFIVBにおける日本の発言力は非常に大きく、豊富なスポンサーマネーにも支えられてワールドカップや最終予選などのビッグイベントを日本開催および有利な日程で運営することができるのです。
驚異的なのはこれらの実績を松平さんが一人で成し遂げたことで、世界のバレーボールの歴史で偉大な監督として真っ先に名前が挙がってくるのも至極当然なのです。ただし松平さんが築き上げたシステムが肝心の日本バレーの強化の足かせになってしまって、しかも誰も修正・変更できないため制度腐朽極まれりの状態になってしまったことも認めざるを得ないのです(続く)。