組織暴力団 – 火を吹く抗争 ⑧ 勢力と構成

暴力団の犯罪は組織をバックにして行われる。ユスリ、タカリのたぐいから企業の乗っ取りまで組織的に悪事を重ねる。

「個人個人だったら取り締まりも問題はない。暴力団は組織として悪いことをするから始末が悪い」と警察は暴力団取り締まりに手を焼く。

組織があるから一般市民も必要以上に暴力団を恐れる。「OO一家の者だ」とタンカを切られると不当だと重いながらも泣き寝入りする市民が多い。組織があるからお礼参りが怖くなる。ただでさえ人相が悪いのが暴力団、組織をバックに集団で押しかけられただけでも命の縮む思いにかられる。

組織で悪事働く / 会長以下役職ずらり

怖がれば怖がるほど暴力団の思うツボで、そのために彼ら暴力団員は人相険しく、一般の市民と違ったヤクザ特有の服装をし、粗暴なふるまいをする。肩で風を切って歩く、彼ら暴力団の暴力組織はもちろん非合法のため、内幕の細かいところはわからずじまいのところが多い。

県内最大の暴力組織「沖縄連合旭琉会」の場合、組織総勢約800人といわれている。会長を頭に理事長と続き、その下に理事が50人ぐらい。理事の下に幹事がおり、その数約60人。幹事を補佐する幹事補が30人ぐらい。そして約120人の中堅幹部がデンと構え、その下に一般組員がひしめいている。

理事は組長クラスで、幹事・幹事補が若衆頭クラスとなっている。旭琉会の全体理事会は毎月1回開かれて、その席で旭琉会のすべてが取り仕切られているという。むろん毎月の定例理事会の日時や場所などについては一切秘密。実力者2人が上原組との抗争事件で上原組に殺害されたため、同会はソビエトのブレジネフ体制のように集団指導体制下にあると言う。

その他、理事の仲には風紀委員長とか本部長という肩書を持つ者がいる。風紀委員長というのは、さしずめ旭琉会全体の懲罰委員会といったところ。組織内部でのケンカやハネ上がりを罰する。しかし、現実には組長クラスがカタをつけてしまい、風紀委員の仕事はほとんどないようだ。また、本部長というのは旭琉会本部事務所に務めていて事務局長といったところ。

旭琉会は反目し合っていた山原派と那覇派が復帰直前に合体してできた組織だけに、設立当時から両派の不信感は根が深く、何かと問題となって現れていた。このため、山原派と那覇派から出していた理事長2人体制を1人にし、組織結束を図った。

そして最近、今度は組織全体のタガを締めるため、組織を構成している組単位をはっきりさせた。これは責任体制を明らかにすることと、抗争事件などで警察の捜査の手を末端で食い止めるのも大きなネライとなっている。現在旭琉会を構成しているのは36の組。大きい組で70人前後、小さいのは5人ぐらいまで大小さまざまだ。(昭和52年5月27日付琉球新報11面)

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