
先月14日から連日熱戦が繰り広げられてきた第107回全国高等学校野球選手権沖縄大会も、今月13日に決勝戦が行われ、沖縄尚学(以下沖尚)がエナジックスポーツ高等学院(以下エナジック)を9-1で破り、2年ぶり12度目の優勝を果たしました。
もちろんブログ主は決勝戦を現場観戦しましたが、QABの見逃し配信で改めてチェックした上で、今回はエナジック寄りで決勝を振り返ってみます。
まず決勝戦で印象的だったがの、前日の準決勝でほぼ完ぺきな投球を見せた末吉(沖尚)、久高(エナジック)の両エースの制球がいまいち定まっていなかった点です。正確には狙ったところから微妙にずれた感があり、それによって両投手ともピッチングに苦しんでいたのですが、はっきり言ってエナジックに不利に働いていました。
エナジックバッテリーの配球は、おそらく準々決勝の沖尚vs美来工科における美来工科バッテリーのしつこいインコース攻めを参考にしたこと間違いありません。実際に決勝戦でも久高ー山城のバッテリーは沖尚の右打者に対しては強気に攻めてましたが、インコースのストレートがなかなか決まらず、序盤からノーストライク・スリーボールを連発していたのです。
そうなるとどうなるのか?守備のリズムが作れなくなるのです。もちろんエナジック個々の選手の守備力は高いので、それで何とかやり過ごすことはできますが、初回からなんか「もやっとした」感じでイニングを消化され、その流れで4回裏2アウトのショートゴロ→ファーストへのワンバン送球のプレイがセーフ判定され、その後逆転打を食らったのです。
このプレイに関しては、近くで見ていた塁審の判定が正しいと確信してますが、問題はその後のエナジック守備陣の対応です。ブログ主は現場でも見逃し配信でも悔やんだのですが、
ここでなぜタイムを取らなかったのか。
結果は久高くんもショートの宮里くんも「もやっとした」気分を引きずったままプレイが再開し、久高君は打者に甘いストレートを投じ、(打者)末吉君の打球がよりによってショートに飛んでいくとの “野球あるある” の展開で逆転を許してしまったのです。
守備のリズムが作れないと、攻撃面にも影響します。この試合を通じてエナジックの打者は「追い込まれたら四球を狙う」との方針で臨んでいましたが、3回表あたりからフェアーゾーンに強い打球が飛ばなくなったのです。末吉投手も中盤あたりから制球重視でストレートの出力を落としており、エナジックの打力ならあと2~3点は取れそうな感じはあったのですが、それでも打球が飛びません。凡打の質が沖尚の打者とは違いすぎたのです。
そして攻守ともに “もやもやしている感” を抱えたまま前半戦が終わり、後半6回裏に追加点を許し、7回8回にも加点され、1-9の大敗を喫してしまうのです。それと現時点のノーサイン野球は予期せぬトラブルとビハインドの展開には “無力” なんだと痛感しました。
いかがでしょうか。今年の決勝ではあまりいいところがなかったエナジックですが、ここで創部4年目の戦績を振り返ってみると、新人大会優勝、秋の県大会準優勝、秋の九州大会準優勝、センバツ1勝、春の九州大会ベスト4(九州大会は秋春5勝)、夏の県大会準優勝との凄すぎるの一言です。
しかもこの代の沖縄の高校野球はエナジックの存在によりワンランクレベルが上がった感すらあります。
もちろん優秀な選手が集まったからでもありますが、高校野球で勝つために考え抜かれたチームを作り上げた
神谷監督をはじめエナジック首脳陣
には尊敬の念を抱きつつ、今回の記事をまとめた次第であります(終わり)。