【県都の決戦】あいろむが斬る(上) 分断

今回から数回に分けて “あいろむが斬る” と題し、那覇市長選についてブログ主なりに数回にわたって言及します。既に報じられている通り、令和04年の選挙イヤーでオール沖縄勢力は、参議院選挙や県知事選は勝利したものの、市長選すべてを落し、今後の県政運営に不安を残す結果となりました。

既にご存じの読者もいらっしゃるかと思われますが、ここ数年の沖縄の選挙の年代別得票をチェックすると、オール沖縄勢力は60代以上の支持が厚く、保守勢力(自公中心)は50代以下から支持を集めています。特に今回の那覇市長選ではその傾向が著しく、試しに別の視点から世代間得票の分析と、オール沖縄再建の道筋について言及します。

改めて那覇市長選における世代間得票の図をアップします。

ただし、今回は前回の記事でアップした図と少し色分けを変えてみました。前にも言及したとおり、翁長雄治氏の10~30代からの支持率の低さが際立っていますが、誤解を恐れずにハッキリ言うと、平成生れの世代は “翁長” のブランドに魅力を感じていないのです。

これでお分かりかと思われますが、翁長の名前に魅力を感じるのは60代以上、つまり祖父の助静さん、叔父の助裕さん、父の雄志さんの現役時代を目の当たりにした世代ほど “翁長” に惹かれる傾向が強いのです。

ただし復帰前後に生まれた50代あたりから、翁長の名前に惹かれない傾向が生じ、そして40代、30代と年齢が若くなっていくにつれて魅力を感じなくなっている流れがはっきりと読み取れます。

オール沖縄は翁長雄志氏の政治的天才が生み出した “芸術作品” と言っても過言ではありません。だがしかし、8年後の今日では選挙結果から察するに、

翁長の名前が “世代間の分断” を生み出す元凶

になっているのです。日本政府やアメリカの政策によって沖縄は分断を余儀なくされているとオール沖縄勢力は主張しますが、現実は “翁長” の名前が社会に断絶を生み出しており、そしてこれこそがオール沖縄勢力が沖縄社会に残した最大の負の遺産なのです。

ここまで説明すればお分かりかと思われますが、オール沖縄再構築の道筋はただ一つ、それは翁長ブランドからの決別です。そして今回の那覇市長選の結果、オール沖縄勢力は翁長家から距離を置くと予想されます。おそらく世代の壁を越えた知名度の高い政治家を軸に勢力を再結集すると考えられます。というかそれしか方法がありません。その結果

玉城デニー知事の知名度にすがりついて余生を過ごす政治団体に成り下がるのです(選挙に勝てるとは言ってない)。

オール沖縄勢力はまだまだ沖縄社会に需要はありますから、いきなり衰退するとは考えられませんが、2014年時点では飛ぶ鳥を落とす勢いの政治団体がここまで変貌するのかと驚きを覚えつつ、今回の記事を〆ます。

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