修羅の邦りうきう – 昭和の三面記事より

ご存じの読者もいらっしゃるかと思われますが、10月1日に緊急事態宣言が解除されたことに伴い、沖縄県立図書館の入館が再開され、ブログ主は早速ですが新ネタを入手するために図書館を訪ねてきました。

今回は本来であれば “修羅の邦りうきう – コザその1” の続編を予定していましたが、ブログ主の予想の斜め上を行くじわじわくるネタを仕入れてきましたので先に紹介します。3面記事好きの読者のみなさん、是非ご参照ください。

・最初は首里の小学生のやらかしからです。

脅迫電話で補導那覇

小学生ら2人「百万円もってこい」

20日から27日にかけて、前後8回にわたって那覇市泊2丁目、民宿「●●荘」=大浜某さん経営=に脅迫電話をかけていた小学生2人が、27日午後6時半ごろ、那覇署に補導された。事件の訴えを受けた同署が、逆探知して2人を補導したものだが、取り調べに対し2人は「テレビをみてヒントを得た」と話していた。

補導されたのは那覇市首里儀保、小学4年、A(9つ)と同級生のB(9つ)。那覇署の調べによるとAらは、8回にわたって民宿「●●荘」に電話して「百万円を持って来い。こない場合には爆破する」と脅迫していた。訴えを受けた那覇署は、電話内容や言動からこどもによる脅迫電話とみて捜査していたが、27日午後、かかって来た電話を逆探知して2人の居場所を突き止め、補導した。2人はこの脅迫電話のほかに、消防署にもいたずら電話をかけていた。(昭和50年10月22日付琉球新報夕刊3面)

このとき補導された小学生は令和の現在では50代半ばと思われますが、元気でお過ごしでしょうか。

次は宮古島の殺人事件のニュースです。

懲役6年の実刑 / スイカドロ殺し事件判決

【宮古】さる4月、伊良部村で起きた

スイカドロ殺し事件

の判決公判が21日午後3時から、那覇地裁平良市武で開かれ、仲本政真裁判長は、被告の伊良部村字伊良部●●●の●、タクシー運転手、●●●(27)に懲役6年(求刑10年)の実刑をいい渡した。起訴事実によると●●被告は、さる4月29日午前2時ごろ、父親のスイカ畑に、スイカドロボウがしのび込んでいるとの実弟からの通報を受けてオートバイで畑に向かう途中、通称アグンニ原でスイカドログループの1人、浦添市牧港●●●、店員、下地某さん(当時25歳)を見つけ、

草刈りガマで顔や太ももを切りつけて失血死させたもの。

判決で仲本裁判長は「被告は、真面目な青年で、雇用主の信頼も厚いが、一時の激情にかられて、思慮を失い、危険と知りつつ無防備の被害者に凶器をふるった行為は許されない」と、新高十七三弁護人らの主張した正当防衛をしりぞけ、実刑判決を下した。(昭和50年10月22日付琉球新報朝刊9面)

他人の畑からスイカを盗む行為は言語同断も、スイカドロボウとして一生を終えた下地某さんにはちょっとした憐みを感じざるを得ません。

ここからは薬物ダメ・ゼッタイのお話です。まずは具志川市(当時)でシンナー乱用者が補導されたニュースを紹介します。

シンナー乱用の3少年を補導 / 具志川署

具志川署は17日午前4時45分ごろ、具志川市仲嶺の友人宅でシンナーを吸っていた少年3人を補導した。補導されたのはいずれも沖縄市内に住む16歳から17歳の少年。

警察の調べによると、少年らはシンナー乱用の常習者で、この日は

具志川市内の金物店でシンナーを買い、

友人宅に持ち込んで吸っていた。補導された時、少年3人はいずれも目が真っ赤に充血し、ろれつも回らず、足元もふらつく状態だった。(昭和50年10月17日付琉球新報夕刊3面)

参考までに我が沖縄でシンナー乱用が社会問題化したのは昭和45年前後からですが、

金物店で普通にシンナーを購入できれば、そりゃー乱用者は増えるわ

と思わず突っ込みを入れたブログ主であります。

最後は男女のもつれとシンナー乱用と無理心中(失敗)という “殿堂入りクラス” の事件を紹介します。

無理心中の失敗だった

嘉手納アパートのガス爆発事故

27日早朝、嘉手納村嘉手納の民間アパートで起こったガス爆発事故は嘉手納署のその後の調べで、無理心中の失敗が原因であることがわかった。

これは同署が同村嘉手納●●●の2、▲▲▲アパート2階3号室、ホステス、M子さん(18)=重体=に行なった臨床尋問により明らかになったもので、それによると名嘉さんとトリイ・ステーション所属、伍長、D・K・Wさん(26)=重体=はことしはじめごろから同せいしていたという。

M子さんは結婚を真剣に考えていたようだが、両親が反対していたのとWさんの態度があいまいだったことなどで事故前夜も2人の間にいざこざがあったらしい。同日午前3時ごろ、思いあまったM子さんが心中することを決意、シンナーを吸引してめいてい状態のまま、台所のガスコンロに接続してあるゴム管を抜いて部屋中にガスを充満させた。

ところが、M子さんは死にきれず窓ぎわにはい出し、

たばこを吸おうとして部屋のガスに引火、惨事を引き起こした。

2人とも米陸軍病院で手当てを受けているが、全身の3分の2以上をヤケドしており生命が危ぶまれている。(昭和50年10月22日付琉球新報夕刊3面)

この手の記事をチェックするたびに、毎度のことながら

我が沖縄のシージャ(先輩)たちのレベルの高さ

を痛感するブログ主であります(終わり)

【追記】ちなみに本土でも我が沖縄のレベルに匹敵するやらかし記事が掲載されていましたので参考までにアップしておきます。

爆弾作りに失敗?

少年、爆発で重体

【奈良】奈良県五條市で爆弾作りに興味を持った少年が18日、自分の部屋で爆発事故を起こし、重傷を負った。

同市本町、大工Aさん(44)の長男B君(15)=中学2年生=で、同日午後3時15分ごろ、同家の中庭で爆発音がし、B君が血まみれになって倒れているのを家人が発見、市内の病院へ運んだが左手、左足首などを粉砕して重体。

五条署の調べでは、B君の部屋のたなにはニトログリセリン、塩素酸塩類、赤リン、硫黄などと書いた薬びん約50本が並び、部屋にはリード線を付けた高さ40㌢、直系10㌢の筒があった。中庭には割れた薬びんなどが散乱していた。同署はB君が爆弾を作ろうとして失敗、何かの薬が爆発したものとみている。(昭和50年12月19日付琉球新報夕刊3面)

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