閑話 2016年リオネジャネイロオリンピック・バレーボール世界最終予選を観戦して思ったこと その5

2013年に日本男子バレーボール代表チームの監督に就任したゲーリー・サトウ氏は元アメリカ男子チームのコーチで、日本バレーボールの改革に取り組みますが、残念ながら初年度は散々な結果に終わります。世界選手権に出場できなかったことが最大の失敗ですが、ゲーリー・サトウ氏はVリーグや大学、あるいは春の高校バレーなどを精力的に視察して2014年のシーズンに臨もうとした矢先に突如2014年2月に解任されて、南部正司氏が新監督に就任します。

2013年6月の日本バレーボール協会のクーデター騒動が影響したのでは?との憶測もあります。解任後のゲーリー・サトウ氏のインタビューは下記URL*を参照していただきたいのですが、解任の理由として挙げた荒木田強化事業本部長の発言は、正直なところ男子選手を馬鹿にしているのではと思わざるを得ません。ゲーリー氏も反論しています。

インタビューアー:荒木田強化事業本部長は「アメリカのバレーは、身体精神ともにトップのアスリートのためのもの。日本の選手達には時期尚早だった。日本の選手達には自立性が欠けており、それゆえそれは日本の選手達には適していなかった」と言っていますが、それについてあなたはどう思いますか?

ゲーリー氏:私は、その声明は不幸なものだと思います、そしてそれは代表選手の成長を妨げる、古い自己制限的な思考を永続化するだけだと考えます。

*インタビュー前文は下記URL参照

http://vbm.link/5905/2/

日本バレー協会はゲーリー氏を解任して、後任に南部正司氏を新監督に就任させます。南部氏は期待に答えて、2014年のアジア大会で準優勝して復活のきっかけを作り、2015年のテヘランではアジアバレーボール大会で地元イランチームを破り優勝して、さらにワールドカップでは5勝6敗の成績を上げて、満を持して2016年の最終予選に臨みますが……残念ながら2勝5敗の成績でリオオリンピックには出場できませんでした。

他人のミスにはとにかく厳しく、ゲーリー氏を解任して責任を取らしたのですが、今回の世界最終予選の失態では日本バレーボール協会はどのように責任を取るつもりでしょうか?強化部長の小田勝美氏は辞任の意向ですが、肝心の南部氏は続投を希望しているとのこと、ハッキリいってこの時点でおかしいです。ポーランド戦の第三セットの選手交代&ローテミスの一件だけでも十分解任の理由になるのですが(笑)。

ゲーリー氏は、荒木田氏の発言に対して「代表選手の成長を妨げる、古い自己制限的な思考を永続化するだけだと考えます」と反論していますが、この発言は日本バレーボール協会の体質そのものへの批判そのものでしょう。日本の選手たちには自立性が欠けておりとの発言ですが、松平さんが築き上げたシステムを墨守することしか頭にない日本バレーボール協会の役員が選手たちにそのように発言する資格があるのでしょうか?ブログ主は荒木田氏の発言に対して極めて不愉快な思いを感じざるを得ないのです(続く)。

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