【高校野球】頂点が見えてきた【沖尚】

今月6日から阪神甲子園球場で第105回全国高等学校野球選手権記念大会(主催:朝日新聞社、日本高等学校野球連盟)が開催され、連日熱戦が展開されていますが、我が沖縄代表として参加中の沖縄尚学は本日(16日)の第一試合にて、長崎県代表の長崎創成館と対戦し、見事5-1で勝利し準々決勝へコマをすすめました。

今年の沖尚チームに関して、ブログ主は去年秋の県大会・九州大会(沖縄開催)、そして夏の県予選を合わせると6試合ほど現場で観戦しましたが、夏の選手権は、春の選抜と違って、選手たちが沖縄大会での試合内容そのまんま甲子園でも披露との、現時点の実力を十二分に発揮している状態とみて間違いありません。

興味深かったのが、今年の沖尚は県外公式戦で長崎のチームと3回対戦し、すべて勝利を収めている点です。長い沖縄高校野球の歴史でも極めて珍しい対戦成績かと思われますが、試合結果は以下ご参照ください。

参考までに、長崎創成館との対戦成績は通算で3勝1敗です。その中でもブログ主の印象に残っているのが、平成29年10月25日の秋季九州大会で、知念大成(沖縄電力)、池間大智(東海理化)率いるチームが創成館に完敗した試合です。県外公式戦、とくに九州大会では安定した強さを誇る沖尚が完敗なんて聞いたことなかったので、それ以来長崎創成館の名称はブログ主の脳裏に確と刻まれてます。

※2018年の長崎創成館は公式戦(神宮大会準決勝)で甲子園春夏連覇した大阪桐蔭に勝ったチームです。

今日の試合で印象的だったのが沖尚バッテリーの対応力の高さで、序盤で長崎創成館の各打者がストレート狙いだと判断するや否や、緩いカーブを交えて狙い球を絞りにくくし、創成館ベンチが次の策としてエンドランを仕掛けてにも関わらず、それにも動じず、気が付いたら130球弱であっさり1失点完投という申し分のない内容でした。

東恩納蒼投手の調子のよさもさることながら、ブログ主は大城和平捕手の著しい成長にびっくりしました。初戦のいなべ総合との試合で2つの盗塁を阻止した強肩のほか、今日の試合では打撃でダメ押しのタイムリー2塁打、そしてなにより相手打者の狙い球をことごとく外しまくった配球の巧みさには舌を巻きました。事実、初戦と違って創成館は “連打” がなく、外野の頭を抜かれるような打撃も皆無でした。東恩納‐大城のコンビは今大会No1のバッテリーで間違いありません。

対する長崎創成館のバッテリー(福盛‐山下)も素晴らしく、福盛投手の必殺技である緩いカーブを時折見せつけながら、ストレートとスライダーで上手にカウントを稼ぎ、沖尚バッターの打ち損じを量産した配球の巧は見事としか言いようがありません。唯一の誤算は決め球のカーブを知花君に打たれた点だけです。

※あの打席は創成館バッテリーの配球ミスではなく、打った知花君の集中力が変態極まりないとしか言いようがありません。

昭和から平成にかけての沖縄野球は「身体能力は高いが粘りがない」がトレードマークでした。平成にはいって沖縄水産の2度の準優勝あたりからそのイメージが徐々に覆されてきたのですが、令和の沖縄野球は ① 用意周到な準備 ② 選手と監督との信頼度の高さ ③ 試合中の修正・対応力の速さにプラス相手のスキや弱点を徹底的につく “えげつなさ” が特徴で、実際に現場で野球観戦すると、高校球児たちの “進化” には驚くばかりです。

そして今年の沖尚は現代の沖縄野球の “完成形” と言っても過言ではなく、ブログ主は彼らが沖縄高校野球の歴史に新たな1ページを刻むこと間違いないと確信しています。誤解を恐れずにハッキリいうと、3回戦終了後のベスト8の抽選結果を見て、ブログ主は

比嘉監督と佐野キャプテンの優勝インタビューの様子が

一瞬脳裏に浮かんだのです。もちろん勝負事なので何が起こるかわかりませんが、16日の3回戦で勝ち進んだ慶應、光星、土浦日大のなかで、いちばんおいしいかつ組みやすい、しかも三試合連続で第一試合(8時開始)を引き当てた強運から、

栄冠へのお膳立ては整った!

あとはどのように仕上げるかいまから楽しみでしょうがないブログ主であります。(終わり)

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