沖縄の高校野球は弱くなったのか – その2

(続き)今回は、我が沖縄県勢が “平成28年(2016)から令和04年(2022)まで7期連続で選抜出場を逃がしたのか” その原因についてブログ主なりに考察します。

まずは平成22年(2010)から令和03年(2011)までの秋季九州高校野球の県代表を調べてみると、興味深いことがわかりました。下図をご参照ください。

*平成25年(2013)は地元開催のため、4校出場しています。

*令和03年(2021)は本来は地元開催ですが、コロナ禍のため開催地が変更されました。

太文字が初戦突破したチーム、青太字は選抜出場チームです。参考までに平成24年(2012)と25年(2013)は沖縄尚学が優勝、平成26年(2014)は糸満が準優勝しています。

この図からハッキリわかったことは、平成27年(2015)以降の7大会で、我が沖縄県勢2校が初戦突破したのは “たった1大会(平成29年)” という事実です。平成22年から26年の5年間は2大会で2校、平成25年は3校が初戦突破したのと比べると、平成27年を境にして県勢の勝率が下がっているのです。

ではなぜそのようなことになったのか。それは毎年1月に開催されている “野球部対抗競技会” の結果に答えの1つが見つかりました。下図をご参照ください。

*太字が秋季九州大会出場校。青太字は夏の甲子園出場校。

ブログ主はこれらのデータを編集して驚いたのですが、令和02年(2020)以降明らかに沖縄の高校球児の体力データが落ちているのです。平成29年(2017)、令和02年(2020)、令和03年(2021)、令和04年(2022)の4競技会の上位10傑の平均値が363点であり、この数値は20年前の高校球児の上位10傑の平均値とほぼ同じです。

令和02年以降はコロナ禍というハンデはありますが、競技会の合計点が400を超えたチームが3年間で4チーム、しかもそのうち3チームが興南高校です。つまり興南を除く

他チームのフィジカル面のレベル低下が秋季九州大会で勝てなくなった

一因と考えられるわけです。事実、選抜出場に最も近かったのが平成29年(2017)と平成30年(2018)の2大会で、出場した2校は競技会でも400点越えの好成績を残しています。

だがしかし、これが春季九州大会になると話が別で、平成27年以降の6大会で我が沖縄県勢は、優勝1回、準優勝1回、ベスト4が4大会の好成績を挙げているのです。それはつまり冬のオフシーズンで沖縄のチームは各校とも質量ともに充実したトレーニングを行っていて、それが春季大会の好成績につながっていると思われます。

となると我が沖縄の高校野球チームは秋季大会時点では九州のチームにフィジカル面で劣り、春季大会の時点で互角あるいは追い越しているわけであり、新チーム結成から夏場のトレーニングを見直すことで秋季九州大会の勝率を上げることができると考えられます。

秋の大会で勝てなくなったもうひとつの原因は “野球留学” が盛んになったおかげて新チームの完成度が低い点ですが、これはどうしようもありません。だがしかしトレーニングの見直しは実行できる事柄なので、我が沖縄の高校野球チームは早急に取り組んでいただきたいと思うブログ主であります(おわり)。

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