資料 2017年1月28日(土曜日)沖縄タイムスより その3

前回の記事において、平成29年(2017)1月5日付で「のりこえねっと」公式ページに公開された抗議声明文について全文掲載しました。今回は1月20日付で公開されたDHCシアターの「運営から、ニュース女子番組見解について」の全文を掲載します。

~運営から ニュース女子番組見解について~

DHCシアター「ニュース女子」#91についての見解。

スカパー!プレミアムサービス547chDHCシアター。YouTube及びTOKYO MX他放送中の「ニュース女子」#91で放送しました井上和彦氏による沖縄リポートについて、数多くのメディアからの質問、政治団体からの批判などを頂きました。

下記に番組及びDHCシアターの見解を表明いたします。

 1)のりこえねっとのチラシに記載された5万円と茶封筒の2万円について。

当該VTRではのりこえねっとのチラシを元に5万円の交通費が支払われていると紹介しましたが、これはその是非を問うものではなく、事実のみを紹介したものです。また、日当2万円の根拠についても、貰ったと証言されている方がおり、その茶封筒は反対派で占拠されている状態の基地ゲート前で拾われ、証言と茶封筒の金額が一致しているところからも合理的な疑いを持たざるをえません。さらにVTRでは「可能性を指摘する」ものとし「2万円の日当」を断定するものではなく、疑問として投げかけております。以上のことから、表現上問題のあったものだとは考えておりません。

 2)二見杉田トンネルの向こう側の取材を断念した件について。

高江ヘリパッド周辺はご存知のように反対派の暴力行為や器物破損、不法侵入などによって逮捕者も出るほど過激化しておりますが、こうした事実だけでなく、地元の方々からは二見杉田トンネル以降にもいくつかの危険があると助言されております。証言によれば、二見杉田トンネルは高江までは距離がありますが、以前同トンネルから4,5キロほど離れた汀間漁港で反対派の方と高江の作業員の方との交通事故があり、これは高江の作業現場から汀間漁港まで、反対派の方が作業車を追い回した結果起きてしまった悪質な事故であったこと。またトンネルから高江ヘリパッドの間では基地反対派によって車両のナンバープレートが記録され、基地ゲート前に到着する前に暴力的に阻止された、等々の証言。これらの情報の中には裏取りのできないものもあり、番組では一切使用しておりませんが、番組制作者としては事前調査の段階で、こうしたリスクを踏まえ、現場取材者や協力者、撮影スタッフの安全に配慮するのは当然のことと考えます。

 3)基地反対派の取材をしないのは不公平との批判について

そもそも法治国家である日本において、暴力行為や器物破損、不法侵入、不法占拠、警察官の顔写真を晒しての恫喝など数々の犯罪や不法行為を行っている集団を内包し、容認している基地反対派の言い分を聞く必要はありません。

4)「のりこえねっと」の抗議声明について

声明には「「韓国人がなぜ反対運動に参加するのか」などと、人種差別にもとづくヘイト発言を行いました。」とありますが、外国人の政治活動については、昭和53年、マクリーン事件の最高裁判決で、「外国人の政治活動の自由はわが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障される。」と示されたように、外国人の政治活動の自由は全てが保障されているわけではなく例外があります。その上で問題提起していることは、人種差別、ヘイトスピーチに該当するとは考えておりません。これら言論活動を言論の場ではなく一方的に「デマ」「ヘイト」と断定することは、メディアの言論活動を封殺する、ある種の言論弾圧であると考えます。

 DHCシアターでは今後もこうした誹謗中傷に屈すること無く、日本の自由な言論空間を守るため、良質な番組を制作して参ります。

 2017年1月20日 株式会社DHCシアター 代表取締役社長 濱田麻記子 番組チーフプロデューサー 山田晃

DHCシアター側の公式見解も簡潔かつ丁寧にまとめられた文章で、その趣旨が分かりやすいです。この見解からもハッキリと下記の意図が窺えます。

 ・高江の反対運動には、何らかの「不純な動機」があること。

・反対活動に参加している人は「不純」どころか「危険な存在」であること。

・外国人の政治活動には制限があり、そのことを指摘するのは「差別」あるいは「ヘイトスピーチ」には当たらない。

ブログ主が気になった点は2)の取材を断念した件について、「これらの情報の中には裏取りができないものもあり」と記載していることです。つまり「裏取りができた事実もあるよ、だから危険と判断した。」ということで、制作スタッフの安全を守るための妥当な判断と言えます。

辛淑玉さんがBPOに提出した申立書(後述)には「言うまでもないことであるが、『基地反対派が犯罪や不法行為を容認している』などという事実はない」とありますが、犯罪や不法行為が行われていたか否かの明言はさけています。この点から察するに、高江の現状は物騒なことが窺えます。BPOへの申立書に「基地反対派が犯罪や不法行為を行った事実は無い」と断言できないところが何ともいえません。

DHCシアターの見解は一言でまとめると

「あなた方は不純どころか危険な存在です(だからあえて言い分を聞く必要はありません)。」

になります。1月2日のニュース女子も、その点を明確にするために放映されたと考えても間違いないでしょう。前述したとおり、地上波でこのような視点から沖縄の基地問題を取り上げたことに時代の流れを感じます。

DHCシアターの見解が公表されたあとの、22日に辛淑玉さんの見解が「のりこえねっと」のホームページで公表されましたが、ブログ主には情緒に訴える内容になっていることが正直残念に思えました。ただしBPOへの申立書は冷静さを取り戻した内容になっているので、最後にDHCシアターの見解に対する項目をアップします。(続く)

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