
今月20に投開票の参議院選挙の沖縄選挙区において、オール沖縄推し(立憲民主党、共産党、社民党、社会大衆党)の高良沙哉氏が初めての当選を果たした件について、特に見るべきものはないと思いつつも、選挙後の特集記事などを比較チェックした上で、ブログ主なりの所感をまとめてみました。
沖縄タイムス、琉球新報の特集記事をチェックして印象的だったのが、①玉城デニー知事の選対本部長就任、そして自身の選挙並みの熱量での選挙運動が奏功した ②ただしオール沖縄は高齢化などが原因で組織力の低下が著しい ③結果的に参政党さまさまで「漁夫の利」を得た、との “イエス・バッドの論調” で記事が作成されていた件です。
組織力の低下はデータ上でもはっきりしており、過去の知事選などの全県区大型選挙におけるオール沖縄の支持層は推定で50パーセント強ですが、今回は告示直後の世論調査において高良沙哉候補は41パーセント、投開票後の得票も40パーセントと「固定票しか獲得していない」現実が目の当たりになったのです。
ハッキリいって支持層が2割も減るなんて、想像もつかない勢力の低下なんですが、その原因として考えられるのが高齢化で投票に行けない支持者の存在と、玉城デニー県政に対する不満、そして既成政党に対する不信感です。事実、昨年の県議選以降、玉城県政はいいところありませんし、参院選における比例獲得票で立憲民主党などの既成政党は悲惨な状況です。つまり
オール沖縄はオワコン化が著しいが、それでも勝っちゃった
というのが現実であり、「勝てば官軍」とはいえ手放しで喜べない現実があるというのが(オール沖縄支持者たちの)本音ではないでしょうか。つまりこのままでは来秋の知事選では極めて厳しい戦いを強いられることを(参院選を通して)痛感したこと間違いありません。
それと今回の選挙で確信できたのですが、オール沖縄勢力はれいわ新選組や参政党などの新興勢力とうまくやっていくことはあり得ない件です。特にれいわ新選組との確執は手が付けられないレベルであり、来秋までに関係修復するなんて考えられません。となると固定票4割かつ既成政党の不信感が強い現状プラス新興政党の助けなしでどうやって知事選を戦うつもりなんでしょうか。
しかも現職の玉城知事が3選を目指して出馬するとは限らないのです。そして彼が不出馬=勇退を決めたら、その瞬間にオール沖縄は瓦解するでしょう。となると最後の手段として、
参政党に知事選に出馬してもらって、漁夫の利を狙う
沖縄一区型の選挙を模索するかもしれませんが、参政党もそこまでバカではありません。理由は知事選に出馬するメリットが無さすぎるからです。
いかがでしょうか、大雑把ですがオール沖縄が結成されて10年以上経過し、ここまでのオワコン化を目の当たりにしたブログ主は「祇園精舎の鐘の云々」の平家物語の一説が現実化したことに変な感慨を覚えつつ、今回の記事を終えます。