
先日ブログ主が新聞をチェックしていると、沖縄タイムスの社会面に「陸自 全島エイサー出演 / 市民、実行委に中止要請へ」と題した小さな記事が目に留まりました。すでにご存じの読者もいらっしゃるかと思われますが、今月12日から沖縄市で開催される第70回記念沖縄全島エイサーまつり(以下全島エイサー祭り)に初めて自衛隊のエイサー隊が出演することに対し、市民団体が抗議しているとの内容です。
令和の今日では市民団体の抗議に対して「職業差別では」と思うウチナーンチュも多数いるかと思われます。ただしブログ主は革新系の団体が抗議する気持ちは理解できるので、我が沖縄の現役世代に対して、なぜ一部の県民が自衛隊を “嫌悪” しているかについて言及します。
結論を先に申し上げると、この案件は50年前の本土復帰を巡る「やり場のない怒り」が原因なんですが、その元凶は昭和43年(1968)の主席選挙に当選した屋良朝苗氏率いる琉球政府にあります。屋良氏は「即時無条件、全面返還」というキャッチフレーズを掲げて、施政権返還を優先する自民党候補(西銘順治氏)に勝って当選しましたが、その後の琉球政府は日米政府と「施政権返還」を優先する方向で復帰交渉に臨みます。
もちろん屋良氏を支持する革新勢力は不満タラタラですが、琉球政府はその感情を緩和するため「祖国に復帰すれば日本国憲法が適用され、それに伴い我が沖縄も本土並みになる(つまり米軍基地は撤去されるんだよ)」との方便を唱え続けます。
だがしかし、実際に復帰して日本国憲法が適用されても米軍基地は撤去される気配はなく、しかも(よりによって復帰直後に)自衛隊が本土並みに配備されたことで革新共闘会議の怒りが爆発します。だからといって(革新の顔である)屋良氏をたっくるすわけにもいかず、この怨念じみた感情が我が沖縄における “反自衛隊感情” の原点なのです。それゆえにハッキリ言って反自衛隊活動の質の悪さはどうしようもないって話であり、しかも
革新に属すると必ずこの “怨念” に取りつかれます。
なお、ブログ主の説明に納得するか否かは別にして、我が沖縄の一部県民たちの自衛隊に対する感情は歴史的経緯があることを理解していただけると幸いです。
最後に、今回の陸自の全島エイサー出演に抗議する市民団体の記事扱いがあまりにも小さい件を指摘しておきます。参考までに50年前の反自衛隊闘争の記事は1面や3面を華々しく飾るレベルの扱いでしたが、今回は9月8日から11日までの沖縄タイムスをチェックしたところ、社会面での小さな扱い、しかも記事内容から「絶対に阻止してやる」との強い決意を感じることは全くなく、単なる抗議活動の内容を伝えるのみでした。これはすなわち我が沖縄県民の多数(購読者含む)にとって、市民団体の抗議なんてハッキリ言って
どうでもいいこと
だと沖タイ編集局が判断している訳です。おそらく社として義務的に記事を掲載したのかもしれませんが、案外本音は
当日は絶対にわーばぐとぅさんけーよー
なのかもしれません。本土復帰から50年を経過して、一部沖縄県民の反自衛隊闘争もとことん落ちぶれたなとツッコミを入れて今回の記事を終えます。
【追記】明日の19時半から陸自のエイサー隊の演舞がありますが、果たして市民団体が凸するか、これはちょっとした見物です。なお50年前なら確実に凸して “実力行使” に出る流れです。