県民の安全に責任を持つ者として、痛みと悲しみを共有したつもりが…

既にご存じの読者もいらっしゃるかと思われますが、先月28日午前10時10分ごろ、沖縄県名護市安和港出口付近で、抗議活動中の女性と警備員がトラックに轢かれ、警備員が死亡、女性も重傷との痛ましい事故が発生しました。

この事故に関して、いったん抗議活動の是非はおいといて、現時点でわかっているのが

①死亡事故が起きたことと、

②抗議活動がなければこのような事故は起こり得なかった

の2点です。それらを踏まえて、今回はこのような事故が起こった場合、どのような対応をすればいいかについてブログ主なりに言及します。

今回の事故は、確かに「あってはならない」案件です。それゆえに「被害者の方には心からのお悔みを申し上げる、だがしかし…」との「イエス・バッド法」のコメントに終始するケースが散見されます。逆もまたしかりで「〇〇だからこのような事故が起こった。被害者のご冥福を祈ります」との談話もありますが、この手のコメントはどうしても “他責の念” がにじみ出てしまいます。

つまり、「自分たちは悪くない」との本音、あるいは身内向けのコメントになってしまうため、可能な限り避けた方が賢明なのです。なお、それが出来ない場合は、沈黙するしかありません。

ただし、社会的立場の高い人、あるいは当事者はいつまでも沈黙するわけにはいきません。その場合の対処法はただ一つ、

痛みと悲しみを共有している

姿勢に徹すること、これしかありません。具体的には「今回の痛ましい事故によって、亡くなられた警備員のご冥福と、重傷を負った活動家の回復を祈ります。事故原因については現在調査中も、二度とあってはならない事故であると認識している」とのテンプレ回答が一番なんです。実際に29日の事故に対する知事談話もその線に沿った内容なんですが、そこはやはり玉城デニー氏、余計なコメントを追加してしまい、案の定大炎上してしまいました。

ブログ主は、琉球新報社提供の動画、「玉城デニー沖縄県知事、名護市安和のダンプ事故でコメント」の文字起こしを試みましたが、彼がものすごく動揺している様子が手に取るようにわかりました。声明全文をご参照ください。

本日の午後
沖縄市の安和港出口付近で
え…警備員、えっと、普天間基地の移設計画に反対する市民と、
え…警備員が大型貨物車に轢かれる事故が発生したことについて
え…お話します。

え…沖縄防衛局によりますと、本日10時10分ごろ、ながし、、、名護市の安和桟橋において、普天間飛行場代替施設建設事業に使用される土砂を
搬出するダンプトラックが出行(しゅついき)、つまり出ようとしたところですね、民間の
警備員と抗議活動中の市民のお二方を巻き込む事故が発生したとの
情報があり、うち、え…警備員の方を一人がお亡くなりになったことは、え、報道により承知しております。

このような事故が発生したことは、あの…県民の安全に責任を持つ
者として、え…極めて遺憾であります。あのぉ…お亡くなりになられた
警備員の方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心から哀悼の意を
お伝えしたいと思います。

また、抗議活動中に、この事故に遭われた方については、まぁ…一刻も早い
回復をお祈りしております。

あの…現在、事故現場に北部土木事務所の職員を派遣し、情報収集に、
え…当たらせていただいています。

県としましては、沖縄防衛局に対し、この事故原因が究明されるまでの
間、そして安全対策が、え…取れるまでの間は、土砂の搬出作業を中止するよう求めてまいりたいと思います。

それから、あの…抗議活動の市民に置かれましても法令を、え…遵守していただきということを、そして地域住民の安全安心に配慮していただくよう求めてまいりたいと考えております。

はい、以上です。

知事談話の初っ端で名護市を沖縄市と言い間違える時点で、事故に対する知事の動揺がはっきりと伺えるのですが、このコメントの問題点は2つあって、一つは「安全対策が取られるまでは土砂の搬出作業を中止するよう求める」との部分、これは世間から「事件の政治利用」と受け止められる恐れがあり、実際にSNS上で猛烈な非難を浴びました。

もうひとつが、「抗議活動の市民に置かれましても法令を遵守していただきたい」の件で、これは事件が違法な抗議活動によって起こったと県が認識していることと、違法と分かっていても止めることができなかったこと、つまり抗議活動家が最も触れてほしくなかったことをを明言しちゃったんです。

今回の事故は辺野古新基地反対運動の立場からみると、完全なイレギュラー、しかも「絶対に起こしてはいけない」案件です。にもかかわらずアフターケアーの初っ端で玉城デニー知事が「失言」をぶっ放してしまいました。ブログ主は、改めて政治家としての玉城デニー氏の限界を目の当たりにしたことと、

失言癖のある知事との連携を強調して当選した20人の県議がいる

事実に、愕然とした次第であります。

ただし、知事談話からは事故の被害者たちの痛みと悲しみを共有したいという意思は感じ取れましたし、「県民の安全に責任を持つ者として」のコメントも嘘偽りはないと確信しています。これに対し、オール沖縄会議の糸数慶子共同代表はひたすら他責に終始の “酷い” としかいいようのない声明を発表しています。次回はこの点と、オール沖縄会議の末路についてブログ主なりに言及します。