前回の記事において、尚円王の神號について深堀しましたが、今回は最大の謎である「だれが王に神號を授けたか」について考察します。ここで百果報事について復習しておきますが、「国王の即位を慶賀する儀式において、現人神である最高女神官を通じ、神(キミマムン、キミテヅリなど)から授かる聖名」なので、祭礼の際に最高女神官が王に神號を授けたのは間違いありません。
人物
金丸の謎 – 聖名と俗称
前回の記事において、尚円王の神號をブログ主なりに解説しました。彼の神號はざっくり言って「完全無欠の英祖王の末裔」ぐらいのイメージでお考えいただければよいのですが、ここで注目は「金丸」という名称です。
金丸の謎
そういえば4年ほど前に「古琉球の深淵 – おぎやかの謎」と題した3記事を配信しました。ちなみにそれらの記事は未完成で、しかも長年放置されていたので、そろそろ続編でも考えようかと思い古りうきうの史料を漁っていたところ、思わぬことに気が付かされてしまいました。
【あいろむ版】勝連具志川のおもろの御さうし その2
前回の記事において「巻十六 勝連具志川のおもろの御さうし」の「(一六ノ二)命上がりが節」のオモロを紹介しましたが、実はこの件は以前の記事でも考察した内容であり(下記リンク参照)、今回は再検証になります。ただし前回と今回の “意訳” に若干の差異がありますが、その違いについては今はそのままにしておきます。
【あいろむ版】勝連具志川のおもろの御さうし その1
今年にはいってなぜか多忙な日々が続いた影響か、阿麻和利関連の記事の更新が半年ちかく途絶えてました(申し訳ありません)。とはいっても時間を見つけては「おもろさうし」などの関連史料をチェックしてきましたが、今回から「巻十六 勝連具志川のおもろの御さうし」に掲載されている「あまわり」に関するおもろを紹介します。
勝連城跡の謎 – 交易
前回の記事において、阿麻和利時代に港として利用されていたとされる “浜川” を拠点とした外洋貿易は無理であると述べましたが、今回はその理由について言及します。
勝連城跡の謎 – 航海
前回の記事において、勝連城跡で使用された瓦は船で輸送された可能性について言及しました。では「どこから持ってきたのか?」を考察する前に、16世紀以前の勝連における海運について考察します。
勝連城跡の謎 – 瓦
これまで「おもろさうし」から見た勝連の実力について考察してきましたが、それはあくまで中城や越来との比較であって、古代社会における勝連半島の地域が経済的に貧相だった裏付けにはなりません。その傍証として勝連城跡からの出土品から、それなりの財力を備えていたことが分かります。
「おもろさうし」から見た勝連の実力(五)
前回の記事において、「勝連は、何にか譬へる(以下略)」は祭式オモロであった可能性について言及しましたが、今回はこのオモロを唱えた人物について考察します。ちなみに「おもろさうし」では題字と唄(オモロ)の関連性が謎めいており、「なぜこのオモロにこんな題字がついたのだろう」と思わざるを得ないオモロが多数ありますが、そのあたりの限界を考慮した上で、「作者」について考察します。
又吉世喜さんについて知っていること(2)
前回アップした記事「又吉世喜さんについて知っていること。」に関し、今回は裏付け史料を公開します。又吉に関してはブログ主が所持する史料から昭和38年(1963)までは正確に追跡できるので、数多くの史料から彼の “実像” に迫る内容のものを厳選して公開します。
「おもろさうし」から見た勝連の実力(四)
前回の記事において、ブログ主は「勝連は、何にか譬へる(以下略)」の有名なオモロは、祭式オモロであると仮定しました。
ここで祭式オモロについて定義すると、過去に神託として下されたオモロがテンプレ化され、後世の祭儀に用いられるようになった類のものであり、「おもろさうし」には巻三「きこゑ大ぎみがなしおもろ御さうし」に集録されている64のオモロの、実に32首が祭式歌謡として用いられています。
「おもろさうし」から見た勝連の実力(三)
今回は古りうきう時代における勝連の繁栄の証として引用されるオモロについて深堀します。伊波普猷先生の『古琉球』の阿麻和利考によって有名になった「かつれんはなおにきやたとへる」から始まるオモロですが、実は伊波先生と鳥越憲三郎先生の解釈がだいぶ異なっています。
「おもろさうし」から見た勝連の実力(二)
前回は「おもろさうし」から中城の国力について言及しましたが、今回は極めて興味深いオモロが掲載されている越来について言及します。実は越来のオモロは中城と違い “王者” を連想させる語句が使われているのが特徴です。
「おもろさうし」から見た勝連の実力(一)
今回から数回にわたって「おもろさうし」から見た勝連の “実力” について考察します。具体的には他の地域(中城・越来)のオモロと比較することで、勝連の国力を推測していくわけですが、その前に「おもろさうし」に登場する “神” についてまとめておきます。
阿麻和利の乱(五)
前回の記事において、第二尚氏以降も勝連城主は「阿麻和利」を名乗っていた可能性に言及しましたが、今回は詩人である「おもろ殿原」について深堀します。
巻八「おもろねやかりあかいんこかおもろ御さうし」におもろ音上がり(オモロ詩人)のオモロが43首集録されていますが、彼(あるいは彼ら)のオモロには女神官のオモロとは違った特色があり、具体的には「国王、按司、民」を強く意識したオモロが散見されるのです。













