閑話 強制アップグレード2

1871年(明治4)の廃藩置県によって薩摩藩は鹿児島県になりますが、その際に問題になったのが琉球国の帰属です。近代国家を形成する上で鹿児島県ではなく中央政府が琉球国を管理する必要があったのです。そこで翌年に琉球王府の高官を上京させて、明治天皇より「国王尚泰を琉球藩王に封ずる」勅書を下達します。

当時の琉球王府の使者はこの勅書を何の疑いもなく受け取ります。今回のWindows 10のアップグレードにたとえるとアップグレードの予約ボタンをクリックした*ことに他なりません。しかも上京中に至れり付くせりの歓待*を受けます

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琉球・沖縄の歴史の概要その4

前述した巴志くんの系統(思紹王統)は7代目の尚徳くん亡きあと、伊是名島出身の内間金丸爺さん*にPC利用権を簒奪されます(下図参照)。金丸爺さんは6代目の利用者の尚泰久くん*の信頼厚き家臣でしたが7代目の尚徳くんに疎まれて隠居せざるを得ない状況になっていました。

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*尚泰久(しょう・たいきゅう:1415~1460)思紹王統6代目の王。在位は1454年から1460年の6年間です。

*内間金丸(うちま・かなまる:1415~1476):伊是名島出身の農民。思紹王統6代目の尚泰久王に見出されて側近として大出世するも7代目の尚徳王からは疎まれて隠居する羽目になります。ただし1469年(応仁3)尚徳王亡きあと群臣の推挙により王位を簒奪することに成功します。

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琉球・沖縄の歴史の概要その3

少し話しそれましたが、最終的にPCユーザーは佐敷の小男である巴志くん*に落ち着きます。中山の系統を乗っ取って、北山くんと南山くんも駆逐することに成功します。PCを初期化(リカバリー)して1つのユーザーアカウントに再セットアップしたと考えてください。

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琉球・沖縄の歴史の概要その2

玉城くんの時代には3人の有力な権力者が存在していましたが、これは1台のPCに3つのユーザーアカウントが存在する状態*と考えましょう。ただし残念なことに肝心の中山の系統は玉城くん以降さっぱりふるわず、5代目のときについに新しい利用者によって乗っ取られてしまいます。それが察度くん*です。

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*便宜上北山、中山、南山の政治/社会制度がほぼ同一であると仮定します。

*察度(さつど:1321~1395)現在の宜野湾市大謝名出身らしい。1350年(貞和6)に中山国の王となります。王統は察度と武寧の2代で1406年に佐敷の豪族である巴志(はし)に滅ぼされます。

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琉球・沖縄の歴史の概要その1

ここからは我が沖縄県民はどのような歴史を経て現在に至ったか、実に強引ですがPCとオペレーティングシステム(OS)そしてPCユーザーに例えて概要を説明します。

・PC=琉球・沖縄
・OS=政治・社会制度
・PCユーザー=歴代の権力者等。ユーザーと記載しましたがここでは所有者でなく主に利用者の意味で使います

琉球・沖縄の通史は17世紀中ごろに編纂された中山世鑑(ちゅうざんせいかん)を始めとしてそれこそ数多くの名著があります。現代ではインターネット検索で琉球・沖縄の歴史の概要を簡単に調べることも可能です。今更ですがブログ主も調子に乗って琉球・沖縄の通史を語ることから始めます。なお数多ある琉球・沖縄の通史および書籍でブログ主が参考にした文献はは以下記載の通りです。

・沖縄県政五十年:太田朝敷(1931)
・沖縄の歴史:比嘉春潮著(1959)
・沖縄歴史散歩:大城立裕(1980)
・昭和の沖縄:琉球新報社会部編(1986)
・ことばに見る沖縄戦後史(上・下):琉球新報社(1992)

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はじめに

琉球国は南海の勝地にして
三韓の秀を鍾め、大明を以て輔車となし
日域を以て脣歯となす
此の二者の中間に在りて湧出する所の蓬莱島なり。

上記は1458年(長禄2)首里城正殿に掲げた大鐘(万国津梁の鐘)に刻まれた銘文(の一部)で、現代語訳は以下の通り。

「琉球国は南海の勝地で、三韓の秀をあつめ、中国・日本とも親密な関係にある。この二国の間に沸きいずる蓬莱の島である。」

勝地:地勢(あるいは地政学的に)優れた土地
三韓:朝鮮半島
大明:中国大陸の政権(当時は明)
日域:日本の政権(当時は足利家による室町幕府の時代)

この一文は沖縄の地理的条件を的確に表現しています。中国大陸と日本列島の中間の位置にあり、東南アジアへのアクセスも可能で交易中継地としては申し分のないまさに勝地です。ただし、中国大陸や日本の政変の影響を強く受けることも見逃せません。

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あいさつ

「うちな~んちゅ」という言葉があります。「うちな~」は沖縄、「ちゅ」は~の人ですから「沖縄の人」と和訳がぴったり合うかもしれません。ただしこの単語は「沖縄人」と和訳してはいけません。「沖縄県民」「沖縄県人」ならセーフです。

ではなぜ「うちなーんちゅ」を沖縄人と和訳してはいけないのでしょうか。それは沖縄人という言葉の響きから「君たちは日本人ではない」というニュアンスを感じ取って、そして本能的に反発するからです。アメリカの人のことをアメリカ人と呼んでも差し支えありません。関西出身の人のことを関西人と呼んでも彼らは別に気にもしません。○○人と呼ばれて嫌な感情を抱くことはあるでしょうが沖縄県民ほどではありません。

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