かつて政治学者の小室直樹博士は、「日本人は中国に対してコンプレックスがある」と喝破しました。よく考えると日本文化の元ネタは中国発が多いですし、実際に古代から近世にかけて中華帝国は世界の超大国でした。想像を絶する巨大な領域を統治してきた歴史に対して隣国である日本は常に何等かの影響を受ける立場であったことは否定できません。
言い換えると、つねに「大」であった中国に対して「小」を意識せざるを得ない日本人はある種の劣等感から免れることができなかったのです。この点は沖縄も同等で、大である隣国の呪縛から免れることができない地理的宿命を抱えています。しかも戦後は「戦勝国と敗戦国」の関係が追加され、中国に対しては”配慮すべき”という妙な空気が社会全体に蔓延してしまいます。