現代史いろいろ

別に「不屈」は瀬長亀次郎さんだけではないお話

2017年8月12日にドキュメンタリー『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』が公開され、我が沖縄県ではちょっとした亀次郎ブームになっています。瀬長亀次郎さんのキャッチフレーズはご存知の通り「不屈」で、彼はアメリカ軍の占領行政に立ち向かったヒーロー扱いになっています。

たしかに人民党事件で逮捕・投獄されましたし、那覇市長に就任もその後追放され、しかも10年間公民権を剥奪されても志を曲げることはありませんでした。たしかにその点では「不屈」です。だがしかし、瀬長亀次郎さん以外にも米軍の施政に立ち向かった無名の沖縄人(今回は敢えてこの名称を使います)は多数いるわけで、今回はその中から一人前田武行裁判長について取り上げます。

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琉球・沖縄における国防意識の変遷

Chobyo_Yara

先日、昭和52年(1977)朝日新聞社刊行 『屋良朝苗回顧録』を読んでいるうちに、面白い一節がありしたのでこの場を借りて紹介します。全文を掲載しますのでご参照ください。

「安保」・「基地」 反対を貫く

あるとき、私はアンガー高等弁務官に呼ばれ、私の主張に関して二つのことを聞かれた。一つは「基地反対」が理解できないということであり、もう一つは、「安保反対」とはどういう意味かということだった。

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現代社会の古典離れを憂うお話 その2

Junji_Nishime

現代社会において、「若者の○○離れ」という言葉があります。マスメディアが作り出した言葉のようですが、代表的なのが「若者の車離れ」という語句ではないでしょうか。実は古典も当てはまります。昨今に出版された沖縄本を参照すると、明らかに古典の知識が欠けているなと思われる書籍が非常に多いのが気になります。

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