現代史いろいろ

恐怖の白い粉(4) 巧妙化する密輸手口

決して過去の手口を使わない 「麻薬を運び込む際、決して過去に使った手は二度と使わない。常に新手をあみ出している」と捜査員は真剣なまなざしをうかべて語る。麻薬Gメン、警察、税関の目が光り、取り締まりが強められていく中で、麻薬を運び込むのはかなりの危険が伴う。苦労して手に入れた麻薬。それを密輸入する寸前でみつかり、つかまってしまってはもとも子もない。犯罪者となるかどうかの接点で動き回っているのが運び屋である。それだけに密輸業者たちは、できる限りの知恵をふりしぼって、運ぶ方法を考える。

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恐怖の白い粉(3)手から手へ

張り込み捜査員の目前で取引 二年前のことだった。日がサンサンと照り輝くある夏の午後のコザ市センター通り。「麻薬取り引きが行われる」との情報をキャッチした捜査陣は、取引予定場所を包囲する形でかれこれ一時間、息を殺して張り込みを続けていた。ある者は向かいの店内から、ある者は観光客を装って三人連れで刻一刻、その時を待った。

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恐怖の白い粉(2)広がる組織

オレは白人のワナにひかかった ある昼さがりの取り調べ室四日前に麻薬密売の現行犯で逮捕された男一人、手錠のかかったまま取り調べを受けていた。黒人兵である。「イエス、おれは何も悪いことはしていない。本当なんだよ」と必死に弁解している。「ではそのわけを聞こう」と静かな刑事の声。「本当だ。おれは何も悪いことなんかしていない。白人のワナにはまったんだ。おれはただ膚の色が黒いために白人のワナにはまっちまったんだ」。黒人兵は憎しみに満ちた目で刑事に訴え続けた。調べている刑事はあ然とした。「白黒の対立は麻薬にまで及んでいるのか…」。悩める現代アメリカをかい間見る思いがしたという。

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恐怖の白い粉 (1)闇のシンジケート

沖縄にはいったいどれくらいの麻薬密輸組織があるのだろうか。次々と摘発される麻薬グループに県民はだれしもそう思っているにちがいない。麻薬関係で検察庁に送り込まれる違反者は一日平均一人の割合。ことしに入ってから県警で逮捕した数だけでもすでに八月現在三百五十人を数え、七二年度の二百九件を軽く上回った。

亡国のクスリはすでに金網を乗り越え民間地域へ。そして県民の各家庭へいつ忍びよるかわからないところまできた。県でもその現状を重視、この秋から麻薬撲滅運動を県民総ぐるみで展開するという。米軍基地をかかえる沖縄。この基地を中継して、はびこる麻薬をほんとに断ち切れるのか。

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コザの街エレジー(20) 最終話

基地の街には、今宵もまた、夕闇と共にネオンは輝き、ジャズが流れる……。

くわえ煙草で客を待つ女、道行く黒人に色眼を使う女、光をさけて街角で男の袖を引く女、ガム売りの女の子、物売りのオバサン達、その中をノッシ、ノッシと歩き回るパトロール、昨夜も、今宵も、そして又明暁も、基地という名の怪物のそれは生きのびんとするあがきだ。のたうつ怪物!

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コザの街エレジー(19) 狂死

父に病死され、60歳を超した老母と2つちがいの妹と3人で暮していた千代子(24)は、コザ市諸見のスーベニヤで働いていた。その千代子がいつも店に買い物に来る1アメリカ兵と友達になってやがて結婚したいと母に願った。アメリカ兵はローレンスという軍曹でまだ22歳のおとなしい青年だった。母親の生活も十分にみるというのである。

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コザの街エレジー(18) ウラマチ

コザ市八重島区在バー・フエックス(経営者比屋根セツ子)の女給柳原ナルエ(23)が、同市中之町区の民家の便所に入って首吊自殺をとげた記事は、3日の各紙に僅か数行で片附けられていた。切った、ハッタで殺されてもて、車にしかれてもせいぜい2~3段、まして自ら命をちじめた人のことなんかは数行を費やすのが勿体ないのかもしれない〔。〕

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コザの街エレジー(16) 貸間業

台風フェイで板塀が吹っ飛ばされ、どこかの野良犬が糞をたれていったと三良兄さんは朝からぷりぷりしていた。そこへ、間借りしている君子が、シュミーズだけの寝呆け顔を出し「兄さん!何とかしてよ早く。昨夜、彼と寝ようとして、裸になったとたん、窓でガタっと音がするのよ…。アレッと思ってふりかえると沖縄ボーイがのぞいているじゃないの。コラッてどなるとばたばた逃げていったけど、うちも裸、彼も裸でしょう。追っかけもできずほんとにいやだったワ…」・そう話している所へジャニーがこれは又ショートパンツにブラジャーだけの姿で、休みだという男に抱かれるようにして入って来た。

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コザの街エレジー(13) 質屋

T君がコザで質屋を開いてからもう6年にもなる。PAWN SHOPと看板をかかげ、格子囲いのカウンターの中に座って質草をとる商売も仲々楽ではない。

「もう少し出してくれんか」とカメラを措いて100円でも多く借りようとねばる外人兵。

ハーニー共々やって来て、片身の指輪だから決して流してくれるな、必ずペイデーには取りに来るからと泣きそうな顔で指輪をはずすハーニーさん。

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コザの街エレジー(6) タクシー

〇タクシー運転手C君(29)は今夜もまた3時すぎまで深夜の街を走り回った。C君は57年型のプリムスを持っている。勿論、金のないC君のものではなく、C君はやとわれ運転手だ。月給は6,000円、老母と妻と子供2人、C君を合せて5人家族だ。子供たちは4歳に2歳、妻は3年前まで働らいていた軍労務をやめて、今は家で子供2人の世話をみている。C君は働かねばならない。どんな不平や、苦しいことがあっても……。

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コザの街エレジー(15) ガム売り

須美子は帰りのバスの中で、ポケットに手を入れて札の感触を楽しんだ〔。〕スカートのポケットの中には300円余りの金が5円、10円、20円がゴッチャになって入っている。須美子が乗っているバスを追随して部隊帰りのタクシーが疾駆する。後から後からまるで何かに追われているように。もう夜中の12時に近い。須美子は後にしたコザの街をふりかえる。1つまた1つとネオンの灯が消えてゆく。

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コザの街エレジー(8) ハーニー族

美代子は「ふうっ」と溜息をついて腰を伸ばした。日中のアイロン掛けは暑くてやり切れない〔。〕ここはコザの或る外人家庭(?)。女主人は洋子さんといって31歳。主人は太っちょの米人で50近い。この家は洋子さんの前の旦那さんが米国へ帰るときに作ってくれたもので、洋子さんの財産であり、そして彼女の城だ。だから洋子さんは今の旦那からは生活費とは別に家賃も計算してもらっているという。

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コザの街エレジー(6) 混血児

「うちのジョージの御嫁さんに貰うから。アケミチャンは可愛いいから。それに御利口さんだし……」「誰がお嫁になんかなるもんか、いやぁだっ。あんなヒージャーミー。」

隣家の6ツになるアケミちゃんの無邪気な言葉に妙子の胸は針がささったように痛かった〔。〕5日程前のひる下り、庭でジョージと遊んでいた隣家のアケミちゃんに、御愛想のつもりで言った言葉が何と不用意な言葉だったかを妙子は今更乍ら悔いた。眼の前ではジョージ・ジョージと可愛がってくれる隣人も心の奥底ではこの母をフシダラと笑っているに違いない。いつも一緒に遊んでくれるアケミちゃん。外の子供たちがいじめてもかばってくれているアケミちゃんがあんなことをいうとは!

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コザの街エレジー(9) アメリカ・ムークー

ロメオが帰国してからもう2カ年になる……。

まるで熱病にかかったように抱きしめて愛をささやいてくれて5年前の彼、バクチに負けて1カ月の給料の大半をなくしてしよげていた彼、子供ができてからの冷たかった彼、それでも帰国する時は泣いて再会を誓い合った悲しみ……愛憎を超えて、過去の想い出の1コマ1コマが脳裏をよぎる。

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