1913年(大正2)2月27日の那覇区裁判所で行われた第一回の公判の続きです。
長野判事 被告が警察で自白したことによれば、東町の大火後、具志堅マウシ宅に行き、西、東町の人たちが上波之上、下波之上、及び天尊小堀に祈祷するという話があり、また泉崎の小娘が、人々に神の宣託を授けているということだが、自分の所にもこの間観音様が現れ、世界の宝は何と何かと質問されたので、自分は知らないと答えたら、神様は、世界の宝は火と水じゃ、世間の無知な者たちは、天に神があることは知っているが、知の神を知らない。地の神は、天の神より一層大切に拝むべきもので、人間の家も草木も、一切の作物も、すべて地の恵みで生まれているのである。然るに世人はそれを知らずに、今まで地の神をおろそかにしてきたのは不都合である。何時大難が起こるか知らないぞ、との御告げがあったというが、本当ですか?