史料

首里城公園の有料区域が本日公開 – プロローグ

本日(6月12日)、首里城公園の有料区域が10時10分より一般公開されました。ブログ主は実際に現地に赴いて公開初日の様子を撮影してきましたので、読者のみなさん是非ご参照ください。

ただし予想以上に撮影枚数が多くなったので、2回に分けて記事をアップします。

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人民中国への道 – むすび

日本の降伏後、アメリカは蒋介石の内戦を支援するため20億ドル以上の贈与ないしはクレジットを提供し、多量の軍用・一般用の余剰資産を名ばかりの値段で売り、さらに最高時11万を超えた在華米軍の軍事物資を、引き揚げのさい「放棄」してきた。にもかかわらず「中国における内戦の忌わしい結果は、アメリカ政府の統制の範囲を超えていた」(アメリカ国防省『中国白書』)

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人民中国への道 – 序章

歴史の発展を測る時間の単位は、人類史の発展とともに縮まってきている。旧石器時代にそれが万年であったとすると新石器時代には千年になり、歴史時代に入ると、数百年・百年・五十年・三十年と短くなっている。歴史の「進歩」への不信が広がる今日ではあるが、単位を一つ大きくとれば、歴史の前進が、それも英雄・天才の指揮棒によってではなく、無名の民衆の力量の成長によって達成されていることが知れよう。

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沖縄の売春 – 私の見たその実態(3)

「しかし、売春禁止法ができたら、かえって売春を街頭に野放しにする結果となり、性病はもっとひどくひろがるのではないだろうか?」

キャラウェー高等弁務官が立法院に勧告した性病予防法改正と売春禁止法の立法に対して、当然予期される反対の声は、全世界の過去の実例から推測して「性病を野放しにする危険」である。良心的だが、売春の歴史と過去の諸事実に精通しているわけではない医師の間では、必ずこのような反対意見を述べる者が出てくるに違いない。

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圍娼の情夫ぐるい(原文)- 2

明治31年9月3日付琉球新報3面

(つヾき)伊勢の海阿漕ケ浦に曳く網も度かさなれは顕はれにけり況んや人足繁き遊郭の中に於て如何に秘すれはとて隱せはとて惡事忽千里を馳せ何時か浮名の世間に漏れさる事ある可きかは左れはカマ眞榮里両人の密會は初の程は家内の人にのみ秘密として知られ両人に於ても亦た用心に用心を加へ餘所に漏さじとのみ勸めたれと

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圍娼の情夫ぐるい(原文)- 1

明治31年8月29日付琉球新報3面

男ごヽろと秋の空と人はいへど尚それよりも變り易きは女の心ぞかし殊に一たび浮き川竹の流に身を沈めてし女の心はしも其定まり無こと恰も走馬燈の如く昨日の瀬は今日の淵と打替りて中々に油斷のならぬものとかや茲に那覇區字東渡地二百九十九番地に寄留して焼酎商を營める城間蒲と云へる平民あり當年四十八、九にして五十に近き班白の若年寄りなれど中々に壯者も及はぬ達者なりとの評判ある男なり

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沖縄の売春 – 私の見たその実態(2)

「でも売春が禁止されたら性犯罪が増えて、堅気の娘たちが危険にさらされるのではないでしょうか?」

かなり知的な婦人でも、こういう心配に取りつかれている。

キャラウェイ高等弁務官は立法院(第二十三回定例議会)に送ったメッセージの中で、売春禁止法の立法を勧告している。行政府もまたそのための実態調査予算を計上した。売春禁止法の制定が問題になってくれば、かならず反対意見の中に「性犯罪増加の危険」がいわれてくるにちがいない。

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沖縄の売春 – 私の見たその実態(1)

働く女子年少者保護育成週間が二十二日からはじまりました。対象は全流の各職場で働く年少者となっていますが、この「保護」からもれている万余の女性がいます。それはいわゆる赤線、青線地帯の女たちです。売春禁止法もなく、彼女たちの更正、福祉施設もないまま、売春が放任されている沖縄の現実……。しかし「必要悪」だからといって見て見ぬふりするわけにもいきません。働く女性の保護育成にちなんで、売春の実態と彼女たちの保護について、読売新聞那覇特派員中沢道明氏の寄稿を紹介しましょう。

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すごい写真が見つかったんだけど – アメリカ世時代

新型コロナウィルスが県内でも蔓延している影響で外出もままらなぬ今日このごろですが、先日暇つぶしに家内を掃除中にまたまた貴重な写真を見つけることができましたので、その一部を公開します。

前回はランダムに写真を提示しましたが、今回はアメリカ世の時代にしぼって写真をチェックして可能なかぎり修正を施しました。読者のみなさん是非ご参照ください。

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◆ 本縣の野球について – 早稻田生

今回は大正6(1917)年9月3日と4日の2日にわたって掲載された「本縣の野球について」の論文を掲載します。大正時代の野球のレベルを伺うことができる的確な内容で、野球好きのブログ主も大変参考になりました。

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芋の葉露(田舎生活)- まとめページ

これまで6回にわたって掲載した太田朝敷先生の論説「芋の葉露(田舎生活)」のまとめページです。当ブログでは琉球新報に掲載された原文および写しと太田朝敷選集(中巻)に掲載された旧漢字訂正分(の一部をブログ主が校正)を掲載しました。

参考までに太田朝敷選集の編者である伊佐眞一先生の書誌改題を紹介します。

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大正六年の沖縄の野球 – 沖縄一中のチーム紹介

令和2(2020)年3月19日に開催予定の第92回選抜高等学校野球大会(以下センバツ)は、ご存知のとおり新型コロナウィルスの感染拡大により開催中止となりました。

そこで代わりと言っては何ですが、今回から数回に分けて大正6(1917)年9月に我が沖縄で開催された野球大会の記事を掲載します。ブログ主も始めて目を通した新聞史料(琉球新報)ですが、これが実にじわじわくる内容でしたので、必要分をコピーしてチェックしました。先ずは沖縄一中(沖縄県立第一中学校=現沖縄県立首里高等学校)のチームおよび選手紹介全文を書き写しました。

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芋の葉露(田舎生活)- その7

(七)文明の風潮は多少村落生活の中にも染みこみ宴会抔も自ら新旧三様の風あり。新風の宴会は天長節とか新年とか云ふ折に開かるゝものにてこれは云はゞ公会の性質を帯びたるものなれば旧態の宴会と云(いわ)〔く〕の趣を異にするのは当然の事なり。さてこの宴会は村事務所に会し豚豆腐抔の煮しめを肴とし泡盛を飲んで楽しむまでにて三味線を弾じ鼓をたゝくが如きことはなし。

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