シリーズ

閑話 歴史に時効の概念を導入せよ その3

前回記事において、時効の概念を導入しないと当事者間の力関係によって歴史的事実が恣意的に解釈されてしまうお話をしました。ブログ主は歴史の記述にも「時効の概念」を大胆に導入すべきを考えますが、追加でもう一つ理由を述べます、それは

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閑話 歴史に時効の概念を導入せよ その2

前回の記事において「沖縄戦で起こった諸事実はもはや時効である」と主張すると猛烈に反発されると記載しました。この点の説明の前に歴史における時効の概念とは何かを定義します。

ちなみに民法上の時効とは「ある事実状態が一定の期間(時間時効)継続したことを法律要件として、その事実状態に合わせて権利ないし法律関係の損喪変更を生じさせる制度」とあります。すこしややこしいのですが、歴史における時効の概念は下記のように

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閑話 歴史に時効の概念を導入せよ

3月19日から始まった選抜高校野球も4月1日に大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じ、我が沖縄県の春の高校野球大会も4月2日に決勝が行われて、沖縄尚学が5年ぶりの優勝を果たしました。同時期にWBCも開催されて、ブログ主は野球三昧の日々を送ったのですが、イベントも一段落しましたのでブログもぼちぼち本題の歴史ネタの記事をアップしていきたいと思います。

今日は琉球・沖縄の歴史を語る上での最大のタブーは何かを考察します。下記はブログ主の仮説ですが、戦後世代(アメリカ軍の占領行政時代を経験した人たち)と、復帰世代(本土復帰直後に生まれた世代)の意識のズレを考えたところ、戦後世代はもしかすると以下の三つの概念を理解していないかもしれません。それは、

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俺が調子に乗って『琉球紀行』を解説するシリーズ その2

今回からはがブログ主初めて『琉球紀行』を読んだ際にガチで挫折しかけた箇所の解説になります。明治時代の日本の役人さんから見て琉球の位階制度がややこしいというお話ですが、実際にブログ主も上手く説明できるかハッキリ言って自信ありません。ただし解説すると宣言した以上は弱音を吐かずにガンバって記事を掲載します。

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その5

前回記事において、左翼とは「あらゆる社会秩序を根本的に見直すことで、社会的不公正を是正することを目的とした人たち」と定義しました。「あらゆる秩序」ですので、当然現在の天皇家の存在も例外ではありません。富の再配分などの社会的公正を目指すために天皇の存在が邪魔と判断した場合は、左翼の立場では「天皇の廃位」も想定しなければなりません

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その4

前回までに、長々と「右翼」の定義について述べました。今回からは「左翼」の本質、および何故左翼が「サヨク」に変質したかを考察します。

其の前に現代社会は「天皇陛下の前では日本人はみな平等」との建前がありますが、現実の社会には様々な矛盾や不公平があります。典型的なのが「富の配分」ですが、右翼も左翼も「富の配分の不公平の是正」する姿勢は共通です。

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その3

前回の記事において、天皇の権威は「革命を否定する」ことで理論化されたことを記載しました。その論理は復唱すると「日本は世界でもっともすばらしい国である。その理由は神代以来天皇家が君臨し給い、有史以来革命(放伐)が一度も起っていない」になります。そうなると、当然前回の記事で説明した通り、

・天皇の権威は絶対である。

・湯武放伐(革命)の思想の否定。

になるのですが、実はさらに理論を突き詰めると

「日本は世界でもっともすばらしい国である。その理由は神代以来天皇家が君臨し給い、有史以来革命(放伐)が一度も起っていない。それゆえに日本=天皇であり、陛下のなさることはすべて正しい。

になります。この思想こそが、右翼の理想かつ完成系になります。現代人には理解しがたい考え方ですが、明治維新を経て2大戦役(日清・日露)に勝利した後の日本人たちは本当にそのように思っていたのです。

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その2

今回は日本社会における「右翼」とは何か?説明して、それがなぜ「ウヨク」あるいは「ネトウヨ」に変質したからを、ブログ主なりに考察します。まず、現代日本における根本思想のひとつに

「日本人は天皇陛下の前ではすべて平等」

があります。この発想は明治の2大戦役(日清、日露)で一般化し、現在の日本社会における基礎といっても間違いありません。この建前は天皇家の権威が絶対であることが前提ですが、意外にも日本の歴史において天皇家の権威を絶対化する思想が理論家され、世間に公表されたのは江戸時代になってからなのです。

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その1

平成28年(2016)5月19日に当ブログを運営してから、おかげさまで本日(平成29年2月7日)掲載記事数が200を突破しました。琉球・沖縄の歴史という地方史メインの内容のため、当初は訪問者数も少なかったのですが、コツコツ記事を掲載していくうちにアクセス数も順調に伸びてきて、本日200記事を掲載することになりました。今回は節目ということで、以前から気になっていた「ウヨク」「サヨク」の問題について記事を掲載します。

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続・琉球藩の時代 もしも大日本帝国が琉球王国を引き取らなかった場合のお話 最後に

今までの記事で、現在の沖縄においてもしも独立するならば、どのような条件が必要か考察しました。おさらいすると、

・戦後世代が抱える被差別意識を超える、琉球独立のための新しいイデオロギーの作成。

・東アジアにおいて中国共産党が冷戦に勝利すること

になります。ハッキリ言って両方とも絶望的に無理ではありますが、実際に上記の2条件は必要不可欠です。その条件を満たすことができなければ、沖縄の独立は不可能と断言しても構いません。

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続・琉球藩の時代 もしも大日本帝国が琉球王国を引き取らなかった場合のお話 番外編5

現代の沖縄における独立論、あるいは自己決定権の議論は、ハッキリ言って「国会において普天間基地の辺野古移設反対、県外移設」に賛同する勢力が極めて小さい点に対するいらだちです。国会(特に衆議院)において多数派を確保できる可能性は極めて低いため、「いっそのこと独立して自分たちが多数派になっちゃえ」という次元の発想です。

もしも本当に独立したら、現在の日本の国体、すなわち「天皇陛下を中心とした国民共同体(天皇陛下の前では日本人は平等)」から離脱を意味します。これは革命を意味するのですが、果して独立や自己決定権を主張する面々はそこまでの認識があるか、極めて疑問に思わざるをえません。

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資料 2017年1月28日(土曜日)沖縄タイムスより その4

前回記事において、DHCシアターの見解をアップしました。その後は1月22日付けで、辛淑玉さんの見解(のりこえねっとの公式 Web サイトに掲載)が公表され、1月27日日付でBPO放送人権委員会宛に申立人辛淑玉名義で申立書が提出されました。今回は、申立書内の添付資料の分を掲載します。(ブログ主個人の感想はあえて記載せず、申立書の文章のみ掲載)

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